日本人最長記録の25イニング連続奪三振
オリックスの山本由伸が8月25日のソフトバンク戦で25イニング連続奪三振を記録した。1968年の江夏豊(阪神)、1980年の木田勇(日本ハム)、2019年の種市篤暉(ロッテ)の23イニングを上回り、日本人最長記録を更新。外国人も含めたNPB記録は、2015年のデニス・サファテ(ソフトバンク)の43イニングが最長、2002年の張誌家(西武)が記録した28イニングが2位となっている。
山本は7月26日楽天戦の3回から8月4日ロッテ戦、8月11日ソフトバンク戦、8月18日西武戦と毎回奪三振を続け、8月25日ソフトバンク戦の4回で途切れるまで計25イニングに達した。なかなか更新されない珍しい記録が、山本によって日の目を見た格好だ。
山本は勝ち星こそ3勝どまりだが、開幕から先発ローテーションを守り続けており、77奪三振は12球団トップ。1試合9イニングで奪う三振数を示す指標「K/9」は10.40、対戦打者に占める奪三振の割合を示す「K%」も28.2%で、いずれも両リーグを通じてトップに立っている。まさしく「令和の奪三振王」と言えるだろう。
山本由伸の通算K/9は歴代9位相当の8.49
2016年ドラフト4位で都城高から入団した山本は、プロ通算89試合の登板で16勝11敗1セーブ、286.1回を投げて270三振を奪っている。通算でも、K/9は8.49と高い数字を示している。
では、歴代の名投手と比較すると、どのレベルに位置しているのだろうか。
上の表はNPBの歴代奪三振ランキング。史上1位は4490奪三振の金田正一、2位が3388奪三振の米田哲也、3位が3159奪三振の小山正明と、誰もが知る名投手がズラリと並ぶ。
NPBの公式サイトには、1位の金田正一から1181奪三振で100位の古沢憲司までベスト100人が掲載されているが、あくまで奪三振「数」のランキング。登板回数が現代とは比較にならないほど多かった時代は、奪三振数も比例して増えるため、投球イニング数も含めた「K/9」で並べ替えたのが下の表だ。
1位は「火の玉ストレート」で11.73という驚異的な数字を叩き出している藤川球児。2位が「トルネード投法」の野茂英雄で10.31、以下、則本昂大、杉内俊哉、伊良部秀輝、ダルビッシュ有、石井一久、松坂大輔、田中将大と続き、シーズン401奪三振を記録した江夏豊でさえ、8.41で10位なのだ。
山本の8.49は歴代9位相当、今季の10.40だけで見ると野茂をも上回るハイレベルであることが分かる。
平均で150キロ超えるストレートと多彩な変化球
昨季は防御率1.95で初のタイトルを獲得。ストレートは平均で150キロを超え、フォーク、カットボール、カーブ、シュート、スライダー、チェンジアップと多彩な変化球を自在に操る。
チームが上位にいれば、もっと目立つ存在なのではないだろうか。我々はもしかしたら日本プロ野球史に残る大投手を目の当たりにしているのかも知れない。
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