モニター越しにトレーニングコーチが指導
新型コロナウイルスの影響でいまだ開幕していないプロ野球。練習すら思ったようにできない状況で、各球団や選手はできる範囲で工夫している。
ロッテは4月下旬からZoomを使ったトレーニングを実施中。第1部が午前10時から40分間、第2部が同10時45分から30分間、トレーニングコーチらの主導で行っており、希望する選手が自宅や寮の自室でモニター越しに指導を受けている。
限られた時間だけにメニューも細分化。最初に栄養学、もしくはトレーニングの講義を10分間行い、その後ストレッチ、体幹トレーニング、上半身のウエートトレ、下半身のウエートトレを各10分、インターバルトレーニングを15分というのが基本的な流れだ。
現在も全体練習は行っておらず、マリンスタジアムと浦和の二軍施設を活用して1人2時間ずつ個別練習を行うのみ。球場とロッカールームの同時使用は2人まで、ウエート施設は1人に限定し、全選手が2日に1回練習できるようにシフト制を組んでいる。1人でするトレーニングには限界があるだけに、画面越しでもチームメートとともにコーチの指導の下で汗を流せるのは貴重だろう。
安田尚憲「繋がっている感じがして頑張れる」
楠貴彦コンディショニングディレクター兼育成統括は「この事態の中で何が最善かを考えて、千葉ロッテマリーンズは自宅待機を続けています。球場で2日に1回の自主練習が再開された中でも『密』を避けるために、選手には厳しい制限を設けさせて頂きました。仲間同士が顔を合わすことができない、トレーニングができない中で、我々はzoomを活用して、オンラインでのトレーニングや栄養、トレーニング講座などを実践しています」と狙いを説明する。
菊地大祐トレーニングコーチⒸ千葉ロッテマリーンズ
始めた当初は参加者が1人だけだったり、選手がスマホやタブレットの操作に手間取ったり、手探り状態だったという。しかし、今では毎日10~15人の選手が参加。いつ開幕を迎えてもいいように、日々トレーニングに取り組んでいる。
期待のスラッガー・安田尚憲は「Zoomトレーニングは初めての経験です。一つの方法としてありだなと感じました。ずっと自主練習をしている中で、画面を通してでも皆さんと一緒にトレーニングができるのはとても楽しく、張り合いがあります。アドバイスもいただけますし、ちょっとした会話をするだけでも繋がっている感じがして、みんなも頑張っているのだから、自分ももっとやろうと頑張れます」と話す。2019年にイースタンリーグで本塁打王と打点王の二冠に輝いた若武者が、Zoomトレで3年目の飛躍なるか注目だ。
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