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ロッテ入りの福田秀平は隠れた飛ばし屋「IsoP」は中田翔より上

2019 12/2 06:00小中翔太
ロッテ入りする福田秀平ⒸYoshihiro KOIKE
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ⒸYoshihiro KOIKE

層厚いソフトバンクではスーパーサブ

FA宣言から約1ヶ月、決断が注目されていた福田秀平がロッテ入りを表明した。

所属していたソフトバンクの外野陣は柳田悠岐、グラシアル、長谷川勇也、中村晃、上林誠知らがひしめく激戦区。その中で福田は代打や代走、守備固め中心のスーパーサブ的な役割を担っていた。

最多試合出場は2018年の110試合で規定打席到達は1度もなし。不動のポジションを掴むことは出来なかった。通算打率は.235、今季も.259と決して高いわけではない。しかし、そんな控え外野手に多くの球団がラブコールを送った。

飛ばす能力は主軸クラスに匹敵

福田が優れているのは、控えにしておくのはもったいない程の長打力だ。長打力は長打率で測られることが多いが、これは1打数当たりいくつの塁を獲得したかを示すもので、純粋な意味での長打力を表したものではない。例えば4打数4安打(全て単打)の打者と4打数1安打(本塁打)3三振の打者は全くタイプが異なるがどちらも長打率は1.000で全く同じになってしまう。

そこで遠くに飛ばす能力に注目したものがIsoP(Isolated Power)だ。計算式は長打率-打率で全ての安打が単打なら0となる。先程の例だと前者は.000、後者は.750と明確な違いが出る。

目安は.180以上あれば相手バッテリーは一発を警戒し、.200以上なら文句なしのスラッガーといったところか。今季の福田のIsoPは.211。これは中田翔(日本ハム)の.207や井上晴哉(ロッテ)の.210を上回っている。

パ・リーグIsoPランキングⒸSPAIA

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福田はプロ5年目に22盗塁を記録した快速自慢の選手で近年のIsoPは.100をわずかに超える程度だった。それが昨季は.229と2年続けてスラッガーの目安を軽々と突破。元々ライト方向への打球が多いプルヒッターだったが急激に力強さを増した。

ロッテ外野陣の競争激化必至

移籍先となったロッテのレギュラークラスの選手で福田以上のIsoPを残したのは.235のレアードと.263のマーティンだけ。福田の加入はチームにとっても大きなプラスとなるだろう。

ロッテ外野陣IsoPランキングⒸSPAIA

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外野手はしぶとく安打を放つ角中、ベストナインの荻野、一発のあるマーティンのスタメンが有力で強打の清田育宏、俊足の加藤翔平、身体能力の高い岡大海らが控える。来季のポジション争いは例年以上に激戦必至だ。