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2位続くも工藤公康監督の勝率は6割超え 過去には鶴岡監督のみ

2020 5/5 06:00勝田聡
ソフトバンク・工藤監督ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

日本シリーズでNPBタイ記録となる8連勝中

日本全国で自粛が続いている。プロ野球各球団も全体練習を行わず、各選手たちは密を避けるために少人数での自主練習を行いながら、いつになるかわからない開幕を待っている。そのため監督や首脳陣も、選手たちとほとんどコミュニケーションを取ることができていないという。

そんな中、ソフトバンクの工藤公康監督は投手陣を複数回に分けて視察、そして一軍の全野手に直接電話をかけ、状況を確認した。4年連続日本一を目指す上で、今できることを最大限に行っているようだ。

そんな工藤監督、そしてソフトバンクが目指す4年連続日本一は、過去にV9まで記録を伸ばした川上哲治監督率いる巨人しか達成していない。

V9をのぞき、過去に3連覇を達成したのは1951年から1953年の巨人(水原茂監督)、1956年から1958年の西鉄(三原脩監督)、1975年から1977年の阪急(上田利治監督)、1986年から1988年、1990年から1992年の西武(森祇晶監督)と5回あった。しかし、いずれも手が届かなかったのである。

日本シリーズで3連覇以上を記録した球団

工藤監督は3連覇を含めて4度の日本シリーズに出場しており、16勝4敗1分(勝率.800)と圧倒的な成績を誇っている。それだけではなく、2018年の第3戦から1試合も負けておらず現在8連勝中。これは日本シリーズにおける最多連勝のタイ記録だ。まさに短期決戦で無類の強さを誇っている。

今年シーズンが開幕したならば、工藤監督が川上監督に一歩近づくことができるかは注目となる。

レギュラーシーズンの勝率は6割超え

日本シリーズでの圧倒的な戦績を残している工藤監督率いるソフトバンクだが、レギュラーシーズンではどうだろうか。就任初年度となった2015年はリーグ優勝を果たしたものの、2016年は日本ハムに大まくりを決められた。2017年に再び優勝を勝ち取ったが、ここ2年は西武の前に屈し、2年連続で2位に甘んじている。

就任からの5年間で優勝2度、2位が3度とすべてAクラスどころか2位以上ではあるが、巨大戦力に育成環境を考えると、どこか物足りなさを感じてしまう。

しかし、そのレギュラーシーズンの勝敗(勝率)を振り返ってみても決して悪い成績ではない。いや、むしろ歴代でも屈指の成績を収めていることがわかる。

工藤監督は5年間で425勝274敗16分(勝率.608)の成績を残しているが、過去の名将たち(500勝以上)を振り返ってみても、この勝率を超えているのは、23年間で1773勝1140敗81分(勝率.609)の成績を残した鶴岡一人監督のみ。

ちなみにV9を記録した川上監督でも1066勝739敗61分(勝率.591)、西武黄金期の森監督も785勝583敗68分(勝率.574)と工藤監督を下回っているのだ。その他の現役監督では、巨人を率いる原辰徳監督が2019年シーズン終了時点で1024勝776敗58分(勝率.569)の成績を残しているが、やはり工藤監督には及ばず、勝率6割にも届いていない。

工藤監督は試合数が少ないものの、これだけの成績を残しているのである。また、今年で57歳。現役生活が長かった分、監督としてのキャリアを始めたのは遅かったが、オファーさえあれば数年は指揮を執ることが可能だろう。監督を引退するときの勝率が楽しみである。

プロ野球の監督成績を見るときには日本一や優勝の回数、そして勝利数に注目がいきがちだが、勝率に目を向けてみるのもおもしろい。

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