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オープン戦首位打者、阪神・大山悠輔の適性打順は?

2020 4/14 06:00楊枝秀基
阪神・大山悠輔ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

2019年は4番固定も106試合目で降格

待たされれば待たされるほど気になる。新型コロナウイルスの影響下で、3月20日だったNPB開幕戦が延期され、各球団の選手はそれぞれに調整。そんな中、ファンの注目度が高い阪神の今季の打順がネット上などで話題となっている。

2018年には、金本監督も「これは本物」と期待したロサリオが大外れ。その不調がモロに響き打線が低迷した。結局、チームは終盤に大失速し、まさかの最下位。金本監督の電撃退任につながった。そのチームを引き継いだのが金本監督と同い年の矢野監督だ。

矢野監督は最下位に沈んだチームを、翌2019年にAクラスに浮上させた。リーグトップの100盗塁を記録するなど、走塁への意識を改革。最終盤に6連勝を決め、69勝68敗6引き分けで3位に滑り込んだ。クライマックスシリーズでも第1ステージでDeNAを退けファイナルステージに進出。巨人に敗れたものの、最後までファンを楽しませた。

ただ、シーズン中からファンの批判を浴びたのは我慢を重ねた4番・大山悠輔の起用だった。開幕4番でスタートし106試合目で6番降格。チームが上位争いに食い込めない中、「引っ張りすぎだ」との声が溢れた。球団OBの中には「大山の前後を打つ糸井と福留が故障がちで助けてやれなかった。4番が孤立したような状態になることが多かった」と庇う声も多かったが、4番で14本塁打という数字は寂しかった。

助っ人補強で競争激化

2019年の阪神のチーム本塁打は94本。12球団ワーストだった中日(90本)とさほど変わらぬ数字とあって、球団はオフに補強に乗り出した。目玉はメジャー92発のボーア。さらには昨季の韓国リーグ打点王のサンズの加入も決まった。今季2年目となるマルテの残留も決まった背景には、大山が一本立ちできていないという事情があることは否めない。

阪神首脳陣はキャンプ前から競争を意識させた。本来、大山の本職でもある三塁でマルテを練習させると、そのマルテは連日の早出特守を敢行。その後、オープン戦では大山が11試合で12球団トップとなる打率.378(37-14)、同3位の3本塁打を記録するなど、チームも活性化した。

開幕4番は実績なども鑑み、ボーアになることが濃厚だ。ただ、球団OBは「大山には最後に誰が4番を打っているか見ていろよというぐらいの思いで取り組んでほしいね。でないと去年100試合以上で4番を打ったことの意味が薄れる」と、競争に勝ち抜いての4番奪回を期待している。そうなっていれば、阪神もチームとして上位争いをしていることは間違いないだろう。

3番サードは大山かマルテ?

矢野監督は3月20日の直前、この日が開幕戦だった場合のスタメンをテレビでインタビューされ「3番・三塁に大山かマルテで迷っていた」と回答した。4番・一塁でボーア、5番・左翼はサンズのクリーンアップを組む予定だったようだ。

他球団スコアラーのひとりは「去年から同じですが、まず近本を出塁させないこと。あと、今季は外国人に仕事をさせないことが重要です。ここに仕事をさせてしまうと大山のマークも緩んで打線がつながってしまう」と、大山プラス助っ人の相乗効果を要警戒としている。

昨季のチーム防御率は3.46と12球団ナンバーワン。102失策と守備に足を引っ張られても必死に投手陣が耐えてきた。矢野監督が2年目を迎える今季こそは、打線の援護で昨年の3位よりも上位を目指したい。新型コロナウイルスの感染者を唯一、出してしまった球団となっているだけに、シーズン開始後には結果でファンに恩返ししたいところだ。

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