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開幕延期がプラスに? ソフトバンクが最強ローテ形成へ

2020 4/23 10:00浜田哲男
ソフトバンク・高橋礼選手ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

開幕延期によるプラス要素

新型コロナウイルスの感染拡大を受け、「緊急事態宣言」(5月6日まで)が発令された。目標としていた4月24日のプロ野球開幕は白紙となり、143試合あるレギュラーシーズンの試合数を削減せざるをえない状況だ。それでも、まだ今季のプロ野球の中止が確定したわけではない。この厳しい状況でもNPBは最善策を模索し、選手たちは来たる日に向けて備えていく。

3月31日から活動を休止していたソフトバンクは4月9日、本拠地ペイペイドームと福岡県筑後市のファーム施設で自主練習を開始した。いつ開幕できるかわからない不透明な状況ではあるが、今後は感染予防に細心の注意を払いながら、できる範囲で体を動かしていくことになる。

だが、ソフトバンクにとって、開幕延期は少なからずプラスに転じそうだ。当初は開幕に間に合わないとされていた千賀滉大や高橋礼が、開幕ローテーションに入る可能性も出てきた。近年、開幕時に先発投手陣が揃わずとも、層の厚さでしのいできたソフトバンクだが、いよいよ最強ローテーションを形成するかもしれない。

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開幕ローテーションは再編?

当初、想定されていた今季の開幕ローテーションは、開幕投手に指名されていた東浜巨をはじめ、メジャーで通算54勝をマークした新助っ人のマット・ムーア、昨季故障からの復活を遂げたベテラン左腕の和田毅、昨季終盤に復調した石川柊太、今季6年目のシーズンを迎えるリック・バンデンハークがおり、6番目の枠をオープン戦で結果を残した二保旭、松本裕樹が争う構図だった。

既に十分計算できる先発投手の陣容ではあるが、ここに千賀と高橋礼も加わってくる。2投手の状態にもよるが、工藤公康監督は開幕ローテの再編も視野に入れていることだろう。

左太もも裏痛のためリハビリ組で調整していた高橋礼は、3月28日に約1ヶ月ぶりとなるブルペン入り。20球を投じて順調な回復ぶりをアピールした。一方、右前腕部の張りでリハビリ中だった千賀も約1ヶ月ぶりにキャッチボールを再開。高橋礼よりは復調まで時間を要しそうだが、今後は自分のペースで状態を徐々に上げていけそうだ。

東浜、ムーア、和田、石川、バンデンハーク、二保、松本に加え、実績のある千賀と高橋礼。他球団から見れば羨ましく贅沢だが登録枠の問題がある。投手の運用に長けた指揮官の腕の見せどころだろう。

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最強ローテーションをどう運用していくか

昨季の開幕ローテーションは、開幕投手を務めた千賀、アリエル・ミランダ、高橋礼、東浜、大竹耕太郎、武田翔太という陣容だった。しかし、東浜は6月に右肘を手術。武田は不振に陥り一時リリーフに配置転換されるなど、先発のやりくりに苦労した。

それでも、代わりが出てくるのがソフトバンク。和田が交流戦で2年ぶりに1軍へ復帰すると、交流戦の優勝を決めた巨人戦や日本シリーズなど勝負どころでチームの勝利に貢献した。また、右肘の故障で苦しんだ石川が終盤に一軍へ昇格し、クライマックスシリーズで好投。故障から復調した2投手が日本一に大きく貢献した。

2018年も同様。シーズン終盤で先発投手が不足している時に、それまであまり実績のなかった大竹、高橋礼、ミランダが先発ローテーションに加わり日本一を手繰り寄せた。

先発投手に故障者が続出しようが、入れ替わり立ち替わりで代役が登場して強さを発揮する。そんなソフトバンクが開幕から最強ローテーションを形成した場合、今まで以上に他をよせつけない盤石の強さを見せるのか。例年よりも少ない試合数が想定されるシーズンで、指揮官がどう運用していくのか注目だ。

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