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松商学園、佐久長聖がけん引 長野県の高校野球強豪校を紹介

2020 2/14 17:00山浦和樹
イメージ画像Ⓒ104000/Shutterstock.com

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県内屈指の強豪、松商学園高校

長野県の高校野球を語る上で外せないのが松商学園高校だろう。なんといっても全国2位の夏の甲子園出場回数(36回)を誇っているからだ(1位は北海道の北海高校で38回)。そして、夏の県大会決勝進出数は50回。これは全国No.1の数字である。決勝でも36勝14敗、勝率72%という圧倒的な成績を残している。

そんな松商学園だが、ここ2年は決勝から遠ざかっている。それでもベスト8には食い込んでおり、県内での強さは健在だ。松商学園の強さはその圧倒的打撃力が支えている。2019年は5試合で39得点、優勝した2017年は7試合で55得点、決勝で惜しくも敗れた2016年は6試合で42得点と、平均で7~8得点している。

ただ、県内ではその強さを発揮している松商学園だが、全国大会での成績は芳しくない。夏の甲子園に出場した過去5大会ではわずか1勝のみ。全国の強豪相手に苦戦を強いられている。長野県を代表する強豪校だけに、この成績では物足りない。2020年こそ、全国で成績を残したいところだ。

松商学園のライバル佐久長聖高校

松商学園のライバルとして、県内で有名なのが佐久長聖高校である。佐久長聖高校は2011年から18年の7年連続で県夏季大会の決勝進出を果たし、しかも4勝3敗で勝ち越している。一方で、甲子園では松商学園と同様に苦戦していると言わざるを得ない。夏の甲子園に出場した過去4回中、2回は初戦を突破しているものの、どちらも3回戦には進めていない。次回出場の際には、今までの鬱憤を晴らしてほしいところだ。

さて、そんな佐久長聖だが、夏の甲子園で話題にのぼったこともある。それは、2018年の初戦のことだ。実はこの年から、延長でのタイブレーク制が導入されており、そのタイブレークでの初の勝利校となったのだ。旭川大高校と戦ったこの試合は、新時代の名勝負として今後も語り継がれていくことだろう。

接戦に強い上田西高校

古くからしのぎを削ってきた松商学園と佐久長聖だが、ここにきて頭角を見せているのが上田西高校だ。2019年は県夏季大会ベスト4、2018年は準優勝、その前もベスト8と安定した成績を残しており、2013年と2015年には甲子園出場を果たすなど、県内屈指の強豪校として認知されるようになった。そんな上田西は、圧倒的打力や投手力はないものの、接戦に強いのが特徴だ。

決勝進出を果たした2018年は、6試合中4試合が4点差以内。しかも二桁得点は1試合だけだった。また、甲子園出場を果たした2015年も準決勝で松商学園に6-5、決勝で佐久長聖に2-1で勝利するなど、強豪校との戦いをギリギリで制している。2019年の秋季大会では、県大会決勝で佐久長聖を9-7、北信越大会初戦の津藩高校(石川)を9-7で破り、2回戦で北越高校(新潟)に3-2で敗れたものの、接戦での強さは県外にも通用することを見せつけた。

甲子園では、2回出場して1勝とまだまだ実績は足りていないが、初出場の2013年に名門木更津総合に2点差、2015年は作新学院相手に6点を取るなど、全国で戦えることを見せた。

2019年、旋風を巻き起こした飯山高校

2019年、長野県の夏を熱くしたのが飯山高校だ。4回戦から準決勝までの3試合を無失点で勝ち進み、準決勝では前述の強豪、上田西に3-0で勝利するなど県内に飯山旋風が吹き荒れた。決勝では同じく勝てば甲子園初出場となる伊那弥生丘との試合を、接戦ののちに5-4で下し、見事勝利を収めたのである。

ちなみに飯山高校は過去5年間で松商学園に2敗、上田西に1敗と強豪相手に敗れていたのだが、2019年の夏は、上田西にリベンジを果たした上での甲子園出場だったので、喜びも大きかっただろう。

甲子園大会では、20-1で甲子園常連の仙台育英に大敗し、全国の壁を痛感させられる結果になった。続く2019年秋季大会では、準々決勝で上田西に10-5とやり返されてしまったが、ベスト8には食い込んでおり、県内でトップレベルの高校に足を並べようとしている。

甲子園大会では残念な結果に終わった飯山高校。しかし、その経験はチームにとって大きな財産となったはずだ。2020年、公立高校では難しくなってきた県大会連覇を果たし、念願の甲子園1勝をつかめるか。

抜きん出た3校を追う他校

長野県の高校野球は、松商学園や佐久長聖という伝統ある強豪を他校が追いかける展開になっている。その中でも頭一つ抜けているのが上田西高校だ。また、2019年に旋風を巻き起こした飯山高校も見逃せない。

他には、県大会上位の常連である小諸商業や松本国際、東海大諏訪に、2019年準優勝の伊那弥生丘など楽しみな高校が多い。2020年の長野では強豪校が意地を見せるのか、それともニューヒーロー誕生となるのか注目だ。

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