長嶋茂雄監督の緊急入院で中畑清監督に
2004年に開催されたアテネオリンピック。初めてオールプロでチーム編成した日本代表は銅メダルを獲得した。当時の代表メンバーと結果を振り返る。
プロアマ混成で臨んだシドニー五輪で初めてメダルを逃したため、オールプロで臨むアテネ五輪の金メダル獲得は至上命題だった。五輪予選を兼ねた2019年のアジア野球選手権で全勝優勝したが、2004年3月に長嶋茂雄監督が脳梗塞で緊急入院。現場復帰には至らず、ヘッドコーチだった中畑清が監督に就任した。
また、シーズン中の選手派遣に難色を示す球団もあり、1チーム2人ずつに制限。その条件下で選ばれたのが上記の24人だった。
オーストラリアに完封負けで金メダルならず
予選リーグはイタリアに12-0、オランダに8-3、キューバに6-3と3連勝。オーストラリアに4-9で敗れるが、カナダに9-1、チャイニーズタイペイに4-3、ギリシャに6-1と再び3連勝し、6勝1敗で1位通過した。
8月24日の準決勝は予選リーグで唯一敗れたオーストラリアだった。2006年に阪神でプレーすることになる右腕、クリス・オクスプリング、当時すでに阪神に在籍していた左腕、ジェフ・ウィリアムスの継投の前に打線が沈黙。シドニーの雪辱に燃える松坂大輔(西武)も奮投したが、結局0-1で敗れた。
翌日の3位決定戦。この日はカナダ相手に打線が爆発した。1回に城島健司(ダイエー)の2ランで先制すると、その後も着実に加点。投げては和田毅(ダイエー)、黒田博樹(広島)、小林雅英(ロッテ)のリレーでリードを守り切り、11-2で大勝した。金メダルは逃したが、病床の長嶋監督に贈る銅メダルだった。
プロ通算1292勝、22147安打のドリームチーム
オールプロのドリームチームだけあって、通算成績はそれまでの五輪5大会とは比較にならない。
投手陣は合計1292勝。それまでの最多だったシドニー組の通算713勝を大幅に上回る。
打者陣は合計22147安打、2469本塁打、8339打点。それまで最多だったアトランタ組の9650安打、4976打点、シドニー組の1270本塁打の2倍前後だ。
結果は銅メダルだったが、まさに過去最強メンバーで臨んだアテネ五輪だった。
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