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実は最強?ロサンゼルス五輪野球日本代表メンバーと試合結果

2020 6/10 12:10SPAIA編集部
ドジャースタジアムⒸゲッティイメージズ
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Ⓒゲッティイメージズ

急遽出場も20人中16人がプロ入りした豪華メンバー

1984年に開催されたロサンゼルスオリンピック。公開競技として行われた野球で、日本代表は見事に金メダルを獲得した。当時の代表メンバーと結果を振り返る。

ロサンゼルス五輪野球日本代表

1980年のモスクワ五輪を西側諸国がボイコットした報復として、ソ連がロサンゼルス五輪をボイコット。当時「アマチュア世界最強」と評されていたキューバも同調してボイコットしたため、代表決定戦で台湾に敗れて出場を逃していた日本が追加招集された。

急遽、編成された五輪代表は表の通り、社会人13人、大学生7人のアマチュア選手。20人中16人が後にプロ入りするという豪華メンバーだった。

マグワイアらがいた米国を破り金メダル

予選リーグで日本は韓国に2-0、ニカラグアに19-1、カナダに4-6の2勝1敗で決勝トーナメントに進出した。準決勝では、大会後に西武入りした郭泰源擁するチャイニーズタイペイと対戦し、延長10回に荒井幸雄(日本石油)がサヨナラ打を放って2-1で勝利。アメリカとの決勝に進んだ。

1984年8月4日。決勝の会場、ドジャースタジアムは開催国・アメリカの優勝を信じて疑わないファンで埋まっていた。当時のアメリカ代表には、後にメジャーでシーズン70本塁打の新記録を樹立するマーク・マグワイアや、巨人でも活躍するシェーン・マックらが名を連ねていた。

試合は3回裏にアメリカが1点を先制したが、日本は4回表、広澤克己の中前タイムリーで逆転。8回には広澤が大会3本目の本塁打となる3ランを放ち、投手陣は伊東昭光(本田技研)-宮本和知(川崎製鉄水島)-吉田幸夫(プリンスホテル)の継投でリードを守り切った。結局、6-3でアメリカを破り、野球が開催されたオリンピック7大会で日本唯一の金メダルを獲得した。

打者陣のプロ通算成績はソウル組上回る

これまで五輪に出場したオールアマの日本代表チームでは、銀メダルに輝いたソウル五輪代表が「ドリームチーム」と称され、最強説が根強い。後に名球会入りする選手が野茂英雄、古田敦也、野村謙二郎と3人もいたのだから、インパクトが強かったのは当然だ。

しかし、メンバーのプロ通算成績を合計すると、打者に関してはロサンゼルス組の方が高い実績を残している。

ロサンゼルス五輪代表のプロ通算成績

正田耕三、広澤克己、和田豊が1500本以上の安打を放っており、合計7627安打。本塁打も306本の広澤克己を筆頭に合計653本塁打。打点も同様に2872打点となっている。

ソウル組の合計は6498安打、566本塁打、2753打点だから3部門ともロサンゼルス組が上回っているのだ。

ちなみに投手陣を比較すると、ロサンゼルス組の合計は248勝37セーブ。ソウル組の440勝92セーブには及ばない。やはり日米通算201勝を挙げた野茂英雄の存在が大きい。

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