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五輪柔道の日本人歴代金メダリスト一覧、競技別最多48個

2021 8/8 11:00SPAIA編集部
大野将平,Ⓒゲッティイメージズ
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Ⓒゲッティイメージズ

1964年東京五輪で金3個も無差別級の神永昭夫はヘーシンクに敗れる

柔道が五輪競技として採用されたのが1964年東京大会。当時は軽量級、中量級、重量級、無差別級の4階級で、先陣を切ったのが軽量級の中谷雄英だった。オール一本勝ちで日本柔道初の五輪金メダルを獲得。さらに続く中量級の岡野功、重量級の猪熊功も金メダルに輝いたが、無差別級の神永昭夫はアントン・ヘーシンク(オランダ)に敗れ、銀メダルに終わった。

以降、2021年東京五輪まで日本人選手は、競技別最多の計48個の金メダルを獲得している。

柔道の五輪金メダリスト


1968年のメキシコ五輪では実施されなかったが、1972年のミュンヘン五輪では中量級の関根忍、軽中量級の野村豊和、軽量級の川口孝夫が金メダルを獲得した。

1976年のモントリオール五輪では5階級に分かれ、軽重量級の二宮和弘、中量級の園田勇、無差別級の上村春樹が金メダル。軽中量級の蔵本孝二は銀、重量級の遠藤純男も銅メダルを獲得している。

山下泰裕はロサンゼルスで金、斉藤仁は涙の2連覇

1980年のモスクワ五輪はボイコットし、2大会ぶりの参加となった1984年ロサンゼルス五輪。日本中を感動させたのが無差別級の山下泰裕(現日本オリンピック委員会会長)だった。

モスクワ大会ボイコットの際は涙ながらに出場を訴え、ようやく念願の大舞台に立ったものの2回戦で右ふくらはぎを肉離れ。右足を引きずりながらも執念で勝ち上がり、モハメド・ラシュワン(エジプト)との決勝に臨んだ。痛みを堪えて攻め、体勢を崩したラシュワンに横四方固めで一本勝ち。4年越しの悲願を達成し、顔をくしゃくしゃにして喜んだ。

ほかに60kg級の細川伸二、65kg級の松岡義之、95kg超級の斉藤仁も金メダルを獲得した。

1988年ソウル五輪では軽量級から次々に日本選手が敗れ、最後の砦として期待されたのが95kg超級の斉藤仁。柔道初の「金メダルなし」の危機に日本中のファンが固唾を呑んで見守る中、ロサンゼルスに続く2連覇を果たして号泣し、感動を呼んだ。

またソウル大会では女子柔道が公開競技として実施され、66kg級の佐々木光が金メダルに輝いている。

バルセロナで古賀稔彦、シドニーでは田村亮子が悲願の金

1992年バルセロナ五輪では「平成の三四郎」と呼ばれた男子71kg級の古賀稔彦が金メダルに輝いた。五輪本番直前の練習中に左膝を痛めながらも、痛み止めを打って見事に優勝。ケガした際の乱取りの相手だった吉田秀彦と抱き合って喜んだ。その吉田も男子78kg級で金メダルを獲得している。

1996年アトランタ五輪では女子61kg級の恵本裕子、男子71kg級の中村兼三、男子60kg級の野村忠宏が金メダル。アトランタは全競技を通じて、金メダルはこの3つだけだった。

2000年シドニー五輪では女子48kg級の田村亮子が悲願の金メダルを獲得。「ヤワラちゃん」と呼ばれて十代の頃から第一線で活躍しながらもバルセロナ、アトランタは銀メダルで涙を呑んだが、ついに表彰台の真ん中に立った。

ほかにも男子60kg級の野村忠宏が2連覇、男子81kg級の瀧本誠と男子100kg級の井上康生(現男子代表監督)も金メダルに輝いた。

1964年東京五輪と並ぶ16個の金メダルに沸いた2004年アテネ五輪は、柔道でも8個獲得した。女子48kg級はプロ野球選手の谷佳知と結婚した谷亮子(旧姓田村)が2連覇、男子60kg級の野村忠宏は3連覇を果たした。

さらに男子66kg級の内柴正人、女子63kg級の谷本歩実、女子70kg級の上野雅恵、女子78kg級の阿武教子、女子78kg超級の塚田真希、男子100kg超級の鈴木桂治が優勝し、金メダルラッシュとなった。

北京で石井慧、ロンドンでは「野獣」松本薫

2008年北京五輪では男子66kg級の内柴正人と、女子63kg級の谷本歩実、女子70kg級の上野雅恵が2連覇を果たした。男子100kg超級の石井慧は優勝直後のインタビューで「オリンピックのプレッシャーなんて斉藤先生のプレッシャーに比べたら、屁の突っ張りにもなりません」と当時の斉藤仁代表監督の名前を出してコメントし、流行語大賞にノミネートされた。

2012年ロンドン五輪では女子57kg級の松本薫が金メダルを獲得。「野獣」と呼ばれるほど鋭い眼光で相手を睨みつけ、頂点に立つと涙をこぼした。柔道ではロンドン大会唯一の金メダルだった。

2016年リオデジャネイロ五輪では男子73kg級の大野将平、女子70kg級の田知本遥、男子90kg級のベイカー茉秋が金メダルに輝いた。

東京では史上最多の金9個

東京五輪では男子60kg級の髙藤直寿を皮切りに、阿部詩(女子52kg級)と阿部一二三(男子66kg級)の兄妹が優勝。大野将平は2連覇を果たした。

さらに永瀬貴規(男子81kg級)、新井千鶴(女子70kg級)、濵田尚里(女子78kg級)、ウルフ・アロン(男子100kg級)、素根輝(女子78kg超級)が続き、1大会で史上最多の計9人が金メダルを獲得した。

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