日本人最多13個のメダルを獲得した小野喬
オリンピック競技で日本が最も多くの金メダルを獲得しているのが柔道。それに次ぐのがレスリング、そして体操だ。団体を1個と数えても、これまで36個(全て男子)に上る。
最初に金メダルに輝いたのが1956年メルボルン五輪男子鉄棒の小野喬だった。現役時代は「鬼に金棒、小野に鉄棒」と呼ばれ、1960年ローマ五輪では鉄棒だけでなく、団体と跳馬でも金メダル。日本選手団の主将を務めた1964年東京五輪では団体で優勝し、3大会で計5個の金メダルを獲得した。銀と銅も合わせると、実に13個のメダルを獲得し、日本人最多となっている。
1960年ローマ五輪では小野のほか、竹本正男、相原信行、遠藤幸雄、三栗崇、鶴見修治が団体で金メダルを獲得。相原はゆかでも金メダルに輝いた。
日本人最多8個の金メダルを獲得した加藤沢男
男子個人総合で日本人初優勝を果たしたのが1964年東京五輪の遠藤幸雄だ。遠藤は団体と平行棒でも金メダルに輝き、1968年メキシコ五輪の団体も含めて計5個の金メダルを獲得した。
小野喬、遠藤幸雄のほか、鶴見修治、山下治広、早田卓次、三栗崇が団体で金メダル。早田はつり輪、山下は跳馬でも優勝した。
1968年メキシコ五輪で遠藤に続いて個人総合を制したのが加藤沢男。団体とゆかでも金メダルに輝き、1972年のミュンヘン五輪でも個人総合を2連覇。1976年モントリオール五輪の団体と平行棒なども含めて計8個の金メダルは日本人最多記録となっている。
メキシコ五輪では加藤沢男のほか、加藤武司、中山彰規、塚原光男、監物永三、遠藤幸雄が団体で優勝。中山はつり輪、平行棒、鉄棒でも金メダルを獲得した。
ローマからモントリオールまで男子団体5連覇
1972年ミュンヘン五輪では加藤沢男、中山彰規、塚原光男、監物永三、笠松茂、岡村輝一のメンバーで団体金メダル。中山はつり輪、加藤沢男は個人総合と平行棒、塚原は鉄棒で金メダルに輝いた。
1976年モントリオール五輪では加藤沢男、塚原光男、監物永三、藤本俊、五十嵐久人、梶山広司が団体で優勝。1960年ローマ五輪から男子団体5連覇となった。ほかにも加藤は平行棒、塚原は鉄棒で金メダルを獲得している。
1980年のモスクワ五輪はボイコットしたため、2大会ぶりの参加となった1984年ロサンゼルス五輪では、具志堅幸司が個人総合で優勝。さらにつり輪でも金メダルを獲得した。また、森末慎二は鉄棒で金メダルに輝いた。
個人総合2連覇した内村航平、岡慎之助はパリで3冠
2004年アテネ五輪では冨田洋之、米田功、鹿島丈博、中野大輔、水鳥寿思、塚原直也のメンバーで団体金メダルを獲得。2012年ロンドン五輪では内村航平が個人総合で優勝した。
内村は2016年リオデジャネイロ五輪で、日本人では加藤沢男以来となる個人総合2連覇を達成。内村のほか、加藤凌平、田中佑典、山室光史、白井健三のメンバーで出場した団体でも金メダルを獲得した。
2021年に開催された東京五輪では、橋本大輝が個人総合と鉄棒で金メダル。橋本大輝、萱和磨、北園丈琉、谷川航で臨んだ団体では銀メダル、萱和磨が男子あん馬で銅メダル、村上茉愛が女子ゆかで銅メダルに輝いた。
2024年パリ五輪では橋本大輝、萱和磨、岡慎之助、杉野正尭、谷川航の5人で臨んだ男子団体で2大会ぶりの金メダルを獲得。岡慎之助は男子個人総合と男子鉄棒でも優勝し、計3個の金メダルと平行棒で銅メダルを獲得した。
1大会で3冠に輝いたのは、1972年ミュンヘン大会の加藤沢男以来52年ぶりの快挙。個人総合連覇を狙った橋本大輝は6位だった。
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