そもそもボブスレーとは?
ボブスレーは氷上のF1とも評されるように、専用のソリに乗って最高速度130km/h~140km/hでコースを滑走し、そのタイムを競う競技だ。元々はソリ遊びを起源としており、スイスのアルプス地方で発達したと言われている。
そのスピードと迫力が最大の魅力とされ、冬季オリンピックでは1924年の第1回大会から正式種目に採用。オリンピックでは当初は男子のみの競技だったが、2002年のソルトレイクシティー大会から女子の競技も正式種目に追加された。
出典: Daniel Huerlimann-BEELDE / Shutterstock, Inc.
冬季オリンピックにも採用されているボブスレー。しかし、日本人メダリストが過去に存在しないこともあってか、形は知っていてもどのような競技なのか、どうやって選手が競っているのか、ということはあまり日本では知られていない。ボブスレーのルールについて説明する。
ボブスレーは氷上のF1とも評されるように、専用のソリに乗って最高速度130km/h~140km/hでコースを滑走し、そのタイムを競う競技だ。元々はソリ遊びを起源としており、スイスのアルプス地方で発達したと言われている。
そのスピードと迫力が最大の魅力とされ、冬季オリンピックでは1924年の第1回大会から正式種目に採用。オリンピックでは当初は男子のみの競技だったが、2002年のソルトレイクシティー大会から女子の競技も正式種目に追加された。
現在、オリンピックでは男子二人乗り、男子四人乗り、女子二人乗りが正式種目として採用されている。2日にわたって競技が行われ、全長約1300mのコースを4回滑走し、そのタイムで順位を競う。
スタートと同時にソリを押して勢いをつけ、選手が全員乗り込み(この時点で1人でも乗り込めなかった選手がいた場合は、当該チームは失格となる)、先頭のドライバーがハンドルを操作して滑走する。
当然、総重量が重い方が加速度が増して有利になるため、それぞれの種目にあった(ソリを含めた)総重量が規定されている。
前述したようにボブスレーでは加速度が非常に重要だが、重りに制限が付いているため、この点での差はあまり生じない。
加速という点ではまず、最初のソリを押すときのダッシュが重要だ。初速が遅くなってしまえば、いくら加速度が高かったところで勝負にならない。ダッシュは50m~60mあり、そこでいかに選手が息を揃えて加速できるかが重要となる。
そのために、競技に参加する2人ないし4人が息を合わせてソリを押し、また乗車する時に減速させないようにする訓練が行われる。
ボブスレーのソリは鉄製のシャーシにカバーがつけられており、流線形をしている。先頭部にハンドル、後部にはブレーキがつけられている。但し、ブレーキはフィニッシュラインを越えてからでないと使うことはできない。
最近ではF1レーシングカーのように技術の発展が進んでおり、各社がソリの開発に力を入れている。ソリの性能によっても順位が大きく変わるスポーツなのだ。
実際にバンクーバーオリンピックでは、イタリア代表はフェラーリ製、ドイツ代表はBMW製を使用。日本でもその技術を生かした「下町ボブスレー」と称する開発が進められたが、2018年大会では日本代表はこれを不採用とすることを決定している。
最初に述べたように、ボブスレーは日本では決して盛んなスポーツとは言えない。国内で実際に競技ができるのも長野県の1か所だけだ。
ソチオリンピックにも日本代表は出場しているが、4人組は26位で4回戦に進むことができず、2人組も28位で4回戦に進むことができなかった。
基本的にはヨーロッパに強豪が集中しているスポーツで、メダル獲得を期待するのは難しいのが現状だ。
映像を見れば迫力は伝わるが、ポイントをしっかりと理解していれば、チームが強い理由や日本がまだまだな理由も分かり、さらに面白く感じるだろう。
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