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レスリング界に名を刻む吉田沙保里選手の功績

2016 10/24 19:31
吉田沙保里,Ⓒゲッティイメージズ
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Ⓒゲッティイメージズ

霊長類最強女子と呼ばれ、レスリングをメジャー級の人気にまで押し上げた第一人者・吉田沙保里選手。 そんな吉田沙保里選手の数々の逸話や歴史をまとめてみた。

霊長類最強女子・吉田沙保里

霊長類最強女子と呼ばれる吉田沙保里選手は、オリンピックの時にしか注目されていなかったレスリングという競技をメジャーにした選手だ。

自宅でレスリング道場を開いていた元レスリング選手である父の吉田栄勝さんの指導で、3歳からレスリングを始めたという吉田沙保里選手。母の幸代さんはテニスの元国体選手であり、兄2人もレスリング経験者というスポーツ一家に生まれた。中学時代には左腕を骨折した状態で大会に出場して優勝したという逸話も残っている。

異例の強さを見せる吉田沙保里

2001年の全日本学生選手権決勝で山本聖子選手に負けて以来、個人戦ではリオデジャネイロオリンピック決勝まで負けがなく、アテネ・北京・ロンドンのオリンピック3大会連続金メダルを獲得し、世界選手権10連覇を加えて、13大会連続優勝を達成した。

この記録はギネス世界記録にも認定され、女子スポーツ界では高橋尚子・FIFA女子ワールドカップ日本女子代表に次いで3例目の国民栄誉賞も授与された。その後も、世界選手権の連覇記録を更新し、驚異の13連覇を果たした。

吉田沙保里が他の選手に与えた影響

リオデジャネイロオリンピックで活躍した他の選手も、吉田沙保里選手の影響を受けた選手は多い。 登坂絵莉選手は「吉田沙保里選手がいるから」と階級を下げで金メダルを獲得し、伊調馨選手は「吉田沙保里選手がいるから」と階級を上げてオリンピックで4連覇を達成し、伊調馨選手がいるからと階級を上げた川井梨紗子選手も金メダルを獲得した。

それ以外にも多くの選手が吉田沙保里選手にあこがれてレスリングに励み、日本の女子レスリング全体のレベルを押し上げている。

レスリングを国内外に広める

亡き父とともに戦うと誓ったリオデジャネイロオリンピックでは惜しくも銀メダルではあった。しかし、後輩の面倒をみて、コーチ陣と選手のパイプ役としても動き、リオデジャネイロオリンピックで金メダルを獲得した選手の誰もが、吉田沙保里選手の背中を追って金メダリストになれたという。

決勝で戦ったアメリカのヘレン・マルーリス選手も、12歳の時にアテネオリンピックで吉田沙保里選手を見て、レスリングをやめさせようとする両親を説得し、続けることができたという。憧れの選手を倒しての金メダル獲得に、ガッツポーズではなく、負けた吉田沙保里選手とともにマットの上で涙した。

吉田沙保里の必殺技と注目の今後

吉田沙保里選手の必殺技として有名な、一切の前動作なしのノーモーションタックルが強力すぎて、徹底的にカウンターを狙うという対策をとられた。その対抗策として吉田沙保里選手が編み出したのは、ガードごと崩せるノーモーション・ガード不能タックルという新必殺技だった。

「いるんだ、海外にはときどき、美形で手足が長くてスタイルのいい、モデルみたいな選手が。そういうときは燃える。『よし、ブン投げてやる!』。
私、本当に自分が女でよかったと思っている。男だったらきっと、試合で何人か相手を殺してる。」

出典: PRESIDENT Online


などと語る吉田沙保里選手。一度は東京オリンピックを目標に現役続行を表明したが、2019年に現役引退を発表した。