元大関・朝乃山が夏場所で幕内復帰
大相撲夏場所は14日に初日を迎える。注目力士の一人が東前頭14枚目に再入幕した元大関・朝乃山だ。
近畿大学から高砂部屋に入門した朝乃山は、西前頭8枚目だった令和元年(2019年)5月場所に12勝3敗で初優勝。富山県出身として大正5年夏場所の横綱・太刀山以来103年ぶりの快挙に地元は沸き、将来を嘱望されるホープともてはやされた。
その後も順調に出世し、令和2年(2020年)3月場所で11勝を挙げ、場所後に大関昇進。年6場所制となった1958年以降で、3場所での三役通過は照ノ富士(2場所)に次ぐスピード記録だった。
昇進後も2桁勝つなど安定した取り口を見せていたが、令和3年(2021年)5月場所11日目にスキャンダルが発覚する。
コロナ禍の緊急事態宣言中にキャバクラを訪れていたことが週刊文春の報道によって発覚。しかも同行した新聞記者と口裏を合わせ、師匠に虚偽の報告をしたのだ。
日本相撲協会が下した処分は「6場所出場停止と50%減給6カ月」。未来の横綱候補は大関在位わずか7場所で陥落し、出場停止の間に番付は西三段目22枚目まで下がった。
令和4年(2022年)7月場所、1年2カ月ぶりの本場所出場を果たし、7戦全勝で優勝。幕下も2場所で通過して十両に復帰すると、令和5年(2023年)1月場所に14勝1敗で優勝し、3月場所も13勝を挙げて再入幕を果たした。