霧馬山は3場所合計33勝まであと10勝
大相撲夏場所は14日に初日を迎える。最大の注目は関脇・霧馬山の大関取りだ。
先場所は2敗でトップだった大栄翔を千秋楽の本割で突き落として12勝3敗で並び、優勝決定戦でも突き落としで連勝して初優勝。初場所でも11勝を挙げており、大関昇進の目安とされる「三役で3場所合計33勝」まで、あと10勝としている。
モンゴル出身の27歳。師匠の陸奥親方(元大関・霧島)の現役時代の四股名から1文字もらったことからも期待の大きさが分かる。
令和2年初場所、新入幕でいきなり11勝を挙げて敢闘賞。東前頭4枚目だった令和4年春場所で10勝して以降は7場所連続勝ち越しと安定している。
得意技は左四つ、寄り、投げで身長186センチ、体重139キロ。今場所の千載一遇のチャンスは是が非でもものにしたいだろう。
大栄翔も大関取りのチャンスあり?
もう一人、大関を狙うのが関脇・大栄翔だ。先場所は千秋楽の本割と優勝決定戦で連敗して優勝を逃したものの12勝を挙げて技能賞。初場所でも10勝を挙げており、今場所で11勝なら33勝に届く。
ただ、初場所が三役ではなく、西前頭筆頭だったことがネックではあるが、もし13勝以上で優勝でもすれば一気に大関昇進しても驚けない。いずれにしても大関取りに向けて大事な場所だ。
埼玉県朝霞市出身の29歳。埼玉栄高校から追手風部屋に入門し、デビュー2場所目の2012年春場所でいきなり序ノ口優勝を果たした。
西前頭筆頭だった令和3年初場所で13勝を挙げて初優勝。その後は負け越しもあったが、三役から平幕上位で土俵に上がり続けている。
得意技は突き、押しで身長182センチ、体重164キロ。今場所は相撲人生の大きなポイントと言っても過言ではない。
3場所合計32勝で昇進した例も
平成以降に大関昇進した力士の直前4場所の成績は以下の通りとなっている。
時代や当時の状況が反映されており、「三役で3場所合計33勝」はあくまで目安に過ぎない。
若ノ花(後の3代目若乃花)は3場所合計34勝を挙げながら、3場所前が前頭3枚目だったことから昇進は見送り。翌場所で13勝を挙げて文句なしで大関に昇進した。
琴欧州も3場所合計35勝を挙げたが、3場所前が東前頭5枚目だったため見送り。翌場所で11勝して大関昇進している。
栃ノ心も平幕優勝を含めて3場所合計33勝に到達したが見送られ、翌場所で13勝すると3場所前は西前頭3枚目だったにもかかわらず、3場所合計37勝で大関に昇進した。
逆に千代大海や稀勢の里、豪栄道、朝乃山、正代らは3場所合計32勝ながら大関に昇進している。霧馬山と大栄翔も33勝すれば安泰というわけでなく、1勝でも多く積み上げることが何よりも重要だ。
先場所は大関・貴景勝が途中休場で綱取りに失敗し、今場所はカド番となる。4場所連続休場していた横綱・照ノ富士が出場するとはいえ、逸ノ城が引退を表明するなど明るい話題の少ない角界。霧馬山と大栄翔が“主役”となって盛り上げられるか注目だ。
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