初マラソン日本最高の国学院大・平林が世代の「顔」に
学生3大駅伝の締めくくりとなる箱根駅伝は2025年1月2、3日に行われる。学生駅伝の活躍を夢見て大学に進んだ4年生にとっては、最後の箱根だ。最終学年の世代最強ランナーは誰だろうか。
「最強」の考え方はいろいろあるだろうが、少なくとも今年の学生駅伝界の中心にいるのは、国学院大の主将・平林清澄で間違いないだろう。
3年生だった今年2月の大阪マラソンで初マラソン日本最高となる2時間6分18秒をマーク。最終学年になってからは、出雲駅伝、全日本大学駅伝を制した。1万メートル、ハーフマラソンで平林より速い選手はいるが、今や世代の「顔」である。
今季は平林と駒澤大・篠原、青山学院大・太田の直接対決が見ものに
ライバル校の4年生も実力者がそろう。駒大の主将・篠原倖太朗は1万メートルとハーフマラソンの2024年のランキングでは、いずれも日本選手の4年生ではトップに立つ。タイムで言えば、この世代最強とも言える。
一方、駅伝で強さを発揮するのが青学大の太田蒼生だろう。箱根では1年生で3区区間2位、2年生で4区区間2位、3年生で3区区間賞と抜群の強さを発揮する。
この3人、今年の出雲と全日本ではいずれも同じ区間を走っている。
出雲では最終6区(10.2キロ)で激突。平林が区間賞、篠原と太田は同タイムで区間3位だった。何より、スピードで劣るはずの平林が篠原に競り勝って優勝した姿は鮮烈で、平林の強さを印象づけた。
全日本では7区(17.6キロ)で3人が直接対決した。出雲とは違い、強さを見せたのは太田と篠原だった。平林がトップの太田と2秒差でたすきを受け取った。
トラックのスピードで上回る平林に分があるかと思われたが、太田が踏ん張り、2秒差を守ったまま、アンカーにたすきを渡した。3位でたすきを受けた篠原は太田と平林の区間タイムを10秒上回って区間賞を獲得した。
箱根ではこの3人が今年3度目の直接対決となるかはわからないが、もし同区間を走るとなれば、「世代最強」を決めるレースになるかもしれない。
「元世代トップ」の東洋大・石田洸介は復活なるか
復活を期する4年生もいる。東洋大の石田洸介だ。
中学、高校と世代トップ。高校生の時には当時の5000メートルの高校記録も樹立した。大学入学後も1年生で出雲と全日本の区間賞を獲得。このまま大学生でも世代トップを突き進むのかと思われていた。
しかし、2年生になると思うように結果が出ず、3年生では3大駅伝を一つも走ることがなかった。4年生になり、5月の関東インカレでは1部1万メートル6位入賞と復活の兆しを見せつつある。
創価大の吉田響も注目すべき4年生だろう。もともとは東海大に入学。1年生で箱根の5区区間2位となり、その後の活躍を期待されたが、2年生では3大駅伝を走ることはなかった。3年生で創価大に編入。再び頭角を現し、昨年の全日本5区、今年の出雲2区でともに区間賞を獲得した。
青学大では太田を先に紹介したが、主将の鶴川正也も最強候補の1人だ。11月に1万メートルで27分43秒33の青学大記録を樹立。世代トップクラスのスピードランナーが長い距離でも調子を上げている。
そのほか、最後の箱根にかける4年生はたくさんいる。4年間の意地をぶつけるような走りをみせてほしい。
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