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第101回箱根駅伝で史上最強の外国人留学生は登場するか?東京国際大エティーリと日大キップケメイに注目

2024 11/26 06:00鰐淵恭市
イメージ画像,Ⓒlzf/Shutterstock.com
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初登場は65回大会のオツオリとイセナ

正月の風物詩、箱根駅伝で大きく流れを変える走りを見せるのが外国人留学生だ。その速さゆえに、賛否が絶えない存在ではあるものの、チームにもたらす影響は絶大。101回目となる箱根駅伝で新たに輝く留学生は現れるのか。

歴史を振り返ると、最初に留学生が出場したのは1989年の65回大会になる。山梨学院大のジョセフ・オツオリとケネディ・イセナの2人だ。当時は留学生の人数について規制がなかった。2005年の予選会からはエントリーは2人までで、出場は1人までとなっている。

これまで、ステファン・マヤカ、メクボ・モグス(いずれも山梨学院大)ら、記憶に残る留学生がいたが、近年ではイエゴン・ヴィンセント(東京国際大)の走りが鮮烈だった。箱根では2、3、4区で区間記録を保持。過去最強の留学生だったと言える。

東京国際大エティーリはヴィンセントを超えるか

そして今回、ヴィンセントが所属した東京国際大に、新たな最強留学生候補がいる。2年生のリチャード・エティーリだ。

1年生の時に5000メートル、1万メートル、ハーフマラソンの日本学生記録を樹立。記録の上では、1年生で最強の留学生となった。

東京国際大エティーリが持つ学生記録


ただ、学生3大駅伝には縁がなく、これまで出場はなし。1年生の時に箱根の予選会を走ったが、8キロ付近で足を故障し、個人の順位は12位。チームも予選突破に3秒届かなかった。

今年の予選会では脇腹痛により失速し、個人11位だったが、チームは予選会を突破。最強留学生候補の箱根デビューは濃厚だ。

区間配置はエースが集まる2区、もしくは3区の可能性が高い。いずれも、大学の先輩になるヴィンセントが区間記録を持つ区間だ。エティーリが、ヴィンセントを超えるのかどうかに注目だ。

日大キップケメイは箱根予選会トップでゴール

今回の箱根で出場91回、優勝回数は12回と、いずれも箱根では3番目の記録を持つ古豪日大にも、注目の留学生がいる。2年生のシャドラック・キップケメイだ。

2024年ハーフマラソン学生ランキング


2024年の1万メートルではランキング1位。箱根予選会では2年連続で個人トップでゴールするなど、同学年のエティーリに引けを取らない存在だ。

今年の箱根駅伝は2区で区間10位と期待に応えられなかったが、今大会では再び2区を走ることになるだろう。

「元祖留学生」とも言える山梨学院大には2年生のブライアン・キビエゴがいる。今秋の箱根予選会はキップケメイに続く2位でゴール。2024年のハーフマラソンのランキングは5位だ。今年の箱根は2区を区間9位で走り、2年連続の2区起用が濃厚だ。

今回紹介した3人はいずれも2年生。卒業するまでの今後2年間、彼らがしのぎを削ることが予想される。

さらに今回の箱根で3人がそろって2区を走る可能性もある。日本選手の走りに注目が集まるが、留学生が見せる異次元のスピードも楽しみの一つだ。

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