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第100回箱根駅伝で東洋大と東海大の巻き返しはあるか?今季苦しむ優勝経験校

2023 12/22 06:00鰐淵恭市
イメージ画像,Ⓒsportpoint/Shutterstock.com
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シード権獲得が現実的か、東洋大

21世紀になってから箱根駅伝で初優勝を経験し、近年は強豪校と言われてきた2校が今季、苦しんでいる。過去4度優勝の東洋大と、95回大会で初優勝を飾った東海大だ。

東洋大は全日本大学駅伝で14位に沈み、東海大は箱根の予選会を通過したものの、順位は10位だった。100回目を迎える箱根駅伝(2024年1月2、3日)で両校の巻き返しはあるのだろうか。

東洋大登録選手


東洋大は初優勝した85回大会から98回大会までの成績は優勝4回、2位5回、3位3回、4位1回、10位1回。表彰台を逃したことが2回しかなかったが、前回の99回大会は10位に沈んだ。現在継続中では最長となる18年連続のシード権を守ったものの、上位の常連だった東洋大としては屈辱の結果だった。

今季も悪い流れが続いている。出雲は8位だったが、全日本は14位でシード権を逃した。箱根の登録選手に昨季故障で苦しんだエースの松山和希の名前があったことは心強いが、一方で5000メートルの元高校記録保持者で入学当初は世代ナンバー1と見られていた3年生の石田洸介はメンバーから外れた。

1万メートルの上位10人の平均タイムは28分49秒07で10位。各選手の1万メートルの自己記録をみても、27分台や28分台前半の選手はいない。

かつては、2代目山の神こと柏原竜二や、設楽兄弟ら、学生長距離界を代表する選手を擁し、箱根を制した東洋大。目標は「シード権獲得」と、これまでの実績からすれば控えめではあるが、現有戦力からすれば、現実的と言えるかもしれない。

勢いある2年生とエース復活で上位を狙う東海大

東海大登録選手


4大会前まで優勝争いをしていた東海大が、今やシード権も獲得できなくなってしまった。

初優勝したのは95回大会。高校時代の有力選手がそろった「黄金世代」が3年生の時だった。翌年も2位。黄金世代が卒業した後の97回大会は5位だったが、98回大会で11位となり、シード権を失った。99回大会は15位。2年連続でシード権を獲得できなかった。

今季は出雲には出場できず、全日本は9位。何より、上位で突破すると思われていた箱根の予選会で10位に終わったことは、関係者を驚かせた。

ただ、メンバーの個々の力はある。1万メートルの上位10人の平均タイムは28分32秒14で4位。高校時代に中距離でインターハイを制した兵藤ジュダ、関東インカレ1部の1万メートルで日本選手トップの2位に入った花岡寿哉ら2年生が力をつけており、タイム通りの走りができれば、上位に食い込む力は十分にある。

気になるのは足のけがに苦しんでいるエースの石原翔太郎の回復具合だ。箱根の予選会も全日本も石原不在だった。エースが万全で臨めるかが、東海大復活のカギになる。

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