シード権獲得が現実的か、東洋大
21世紀になってから箱根駅伝で初優勝を経験し、近年は強豪校と言われてきた2校が今季、苦しんでいる。過去4度優勝の東洋大と、95回大会で初優勝を飾った東海大だ。
東洋大は全日本大学駅伝で14位に沈み、東海大は箱根の予選会を通過したものの、順位は10位だった。100回目を迎える箱根駅伝(2024年1月2、3日)で両校の巻き返しはあるのだろうか。
東洋大は初優勝した85回大会から98回大会までの成績は優勝4回、2位5回、3位3回、4位1回、10位1回。表彰台を逃したことが2回しかなかったが、前回の99回大会は10位に沈んだ。現在継続中では最長となる18年連続のシード権を守ったものの、上位の常連だった東洋大としては屈辱の結果だった。
今季も悪い流れが続いている。出雲は8位だったが、全日本は14位でシード権を逃した。箱根の登録選手に昨季故障で苦しんだエースの松山和希の名前があったことは心強いが、一方で5000メートルの元高校記録保持者で入学当初は世代ナンバー1と見られていた3年生の石田洸介はメンバーから外れた。
1万メートルの上位10人の平均タイムは28分49秒07で10位。各選手の1万メートルの自己記録をみても、27分台や28分台前半の選手はいない。
かつては、2代目山の神こと柏原竜二や、設楽兄弟ら、学生長距離界を代表する選手を擁し、箱根を制した東洋大。目標は「シード権獲得」と、これまでの実績からすれば控えめではあるが、現有戦力からすれば、現実的と言えるかもしれない。