ギネス記録保持者ジャハーンギール・カーン
ジャハーンギール・カーンさんは、パキスタン出身のスカッシュ選手。ギネス世界記録にも認定された、ものすごい記録を持つ選手です。その内容というのが『連勝』の記録。1981年から1986年の間の国際大会を含めた6年間無敗を続け、築き上げた連続勝利数はなんと『555勝』に。
レスリングで16連覇を遂げた吉田沙保里選手ですら206勝という数字。数字だけ見てもまさに驚異的ですね。前人未到の連勝記録はもちろん、いまだにスポーツ界で一番の連勝記録として破られていません。
ギネス記録を持つ選手~パキスタンでの知名度
パキスタン国内でジャハーンギール・カーンさんの名前は、普通の人でも耳にしたことがあるレベルで広く知られているそうです。日本でいうと野球界の王貞治さんや、長嶋茂雄さんのような位置付けなのだとか。
スカッシュというと日本国内でまだマイナーなためピンときませんが、野球に例えるといかに有名な選手かわかりますね。ただ、パキスタン国内でスカッシュが日本の野球のように普及しているかと言われると、そうでもないとの話も…。
スカッシュとパキスタンという国
パキスタン国内でのスカッシュ理解度というのは、前述しているとおりジャハーンギール・カーンさんの功績があってでしょう。他国が想像しているほどの普及率ではないとの噂ですが、優勝候補の一角として各国チームに立ちはだかるのは事実。
しかし、強さのノウハウを知っている人物が国内にいるというのは、競技を普及させる一番の強みです。他のスポーツでもそうですが、レベルの高い選手がいると周りも引っ張られて競技のレベルがさらに上がることもありますよね。
パキスタンでのスカッシュ競技の位置付け
パキスタンの公式の国技はクリケットです。それもあってクリケットはパキスタン国内で人気のスポーツで、世界的に活躍したクリケット選手であれば、引退しても職に困らないほどの人気だそうです。
しかし、クリケット以外のスポーツでは引退後の就職先に困るのが現状の様子。残念ながらそれは強豪国とされるスカッシュも同じこと。強い選手を育てるのなら、第2の人生である引退後の保証も充実させたいところ。そうすれば競技人口の増加だけではなく、今以上にパキスタンのスカッシュ選手がトップに君臨するかもしれません。
日本、そして世界から見るスカッシュ競技
スカッシュは現在世界で188カ国で約2,000万人がプレーしているとされています。世界で競技人口が多いとされているスポーツの1位はバスケットボールで約4億5,000万人。パキスタンの国技であるクリケットの競技人口は3位の約1億人ですから、スカッシュの競技人口がまだまだ少ない現状がよくわかります。
日本でもスカッシュができるコートがある場所は限られており、気軽にプレーを楽しめるとはいえませんね。まずはスカッシュの知名度を上げることが当面は一番の課題でしょう。
まとめ
パキスタン国内だけでも広く普及しているとは言い難いスカッシュの現状。念願のオリンピック開催のためにはまず、いかに競技人口を広めていくかが鍵となるでしょう。伝説の選手を生んだパキスタンがその筆頭となり、スカッシュ界を引っ張って行ってほしいものですね。