8位札幌まではほぼ安泰 残留争いは9位以下の10チームが中心
2019年のJ1もラスト5試合となったが、第29節終了時点で残留を決めているのは第6位の川崎Fまで。残留の目安となる勝点40をクリアしているのも8位の札幌まで。例年通り今季もJ1残留争いは大混戦となっている。
一般的に逆転可能とされている「残り試合数=勝点差」という目安で考えると、プレーオフ圏となる16位湘南と4ポイント差で勝点35の9位G大阪以下の10チームが残留争いに巻き込まれていると言えるだろう。
2019年のJ1もラスト5試合となったが、第29節終了時点で残留を決めているのは第6位の川崎Fまで。残留の目安となる勝点40をクリアしているのも8位の札幌まで。例年通り今季もJ1残留争いは大混戦となっている。
一般的に逆転可能とされている「残り試合数=勝点差」という目安で考えると、プレーオフ圏となる16位湘南と4ポイント差で勝点35の9位G大阪以下の10チームが残留争いに巻き込まれていると言えるだろう。
現時点で最下位の磐田はJ1残留がかなり厳しい状態となっている。
目標となるのは残留圏内となる15位というよりも入れ替え戦となる16位。現時点で勝点31の湘南を上回らなければならないがその勝点差は9。どれほど有利な状況に傾いても最低3勝が必要となる。近い順位のチームとの対戦をすでに終えている上に、優勝争い真っ只中のFC東京との対戦を残していることも残留への道を暗く険しくしている。
光があるとすれば、残り試合での対戦相手の勢い。勢いを図るモノサシになるであろう直近5試合の成績のみで順位をつけると、磐田の対戦相手の平均順位は、松本と湘南の6.8、7.2よりも低い13.4となっている。
第31節で戦うFC東京は10番手、第32節に対戦する札幌も16番手と、対戦を残す上位陣は軒並み調子を落としている。磐田も直近5試合で1勝1分3敗で15番手と決して調子がいいわけではないが、次節FC東京を撃破して上昇気流に乗りたい。
残留争いで最も激戦となっているのが14位から17位まで。5月17日以降1勝しか挙げられず14位となった名古屋、ついに残留圏となる15位に上った鳥栖、4連敗で16位に下がった湘南、そして17位松本。この4チームの勝点差はわずか4である。
この4チームで最も注目すべきは残留ラインを挟む直接対決、第31節の鳥栖対松本の一戦だろう。勝ち点差3だが得失点差で松本が優位に立っているため、鳥栖は敗戦即降格圏転落となる。
しかし松本はこの試合以外に上位陣との対戦が2試合残っていることを忘れてはいけない。鳥栖、松本の両チームはともに優勝争いを繰り広げる横浜FMとの対戦を残しているのだが、松本はさらにACL圏内を目指しているC大阪との対戦も残している。横浜FM、C大阪は直近5試合の成績でも1番手と2番手という調子の良いチーム。もし直接対決で結果を出したとしても他のカードで差をつけられては厳しい。
同じく湘南もC大阪との対戦を残している。湘南の場合、ここにさらにFC東京、広島との対戦が加わってくる。湘南の場合は、曺貴裁前監督の問題が発覚して以降全く勝てていないということを考えると、対戦相手よりもまず自分たちの湘南スタイルを取り戻すことができるかがポイントとなるだろう。
名古屋も苦しい状況だ。直近5試合で2分3敗。未勝利なのは湘南と名古屋の2チームだけ。最終節が鹿島戦であることを考えると自身よりも下の順位との対戦となる、第32節鳥栖戦、第33節磐田戦の2試合で少しでも勝ち点を積み上げたいところだろう。
風間監督からフィッカデンティ監督へという180度異なるスタイルへの変換がなされた難しい状況だが、J1残留をつかみ取れるか。
残留争いが大混戦となっている最大の要因は、G大阪、神戸、仙台、浦和、清水の5チームが勝点35で並んでいることだろう。29試合を終えて同じ勝点にこれだけのチームが固まるのは異例のことだ。
これだけ多くのチームが残留争いに巻き込まれると当然のことながら、残り5試合での直接対決も多くなる。G大阪は残り5試合中4試合が勝点35以下のチームとの対戦、神戸、仙台、清水も3試合ある。直接対決で連敗すると一気に降格圏が迫ってくるようなこともありえる。
ただし、そんな中でも浦和は少し状況が異なる。広州恒大に勝利しACL決勝に進出した浦和だが、J1残留争いでは鹿島、広島、川崎F、FC東京との対戦を残しており、残り5試合中4試合が上位チームとの対戦。残り対戦チームの今季平均順位が4.4とずば抜けて高い順位である。
浦和自身の直近5試合の成績が1勝2分2敗で14番手と決して調子がいいわけでもないことを考えてもこの4試合でいくつ勝点を積み重ねることができるかがポイントだろう。
ちなみに残り5試合を直近5試合と同じペースで勝点を獲得すると、プレーオフ圏となる16位は松本、自動降格となる17位は湘南、18位は磐田。名古屋は松本と勝点で並ぶが得失点差で15位となる。
例年以上の大混戦となっているJ1残留争いを生き残るチームは果たしてどこになるのか。