13位から巻き返しへ片野坂知宏監督を招聘
2月18日、川崎フロンターレ-FC東京で2022年のJリーグが開幕する。
今季は12年ぶりに関西4クラブがJ1リーグに勢揃い。各クラブにおける各ポジションで今季もキーマンになるだろう選手を昨季スタッツから検証したい。第2回はガンバ大阪。
13位に終わった昨年はシーズン開幕直後にチーム内で複数の新型コロナ陽性者が発生。序盤の出遅れが響き、シーズン通じて調子が上がらなかった。今季は大分を指揮していた片野坂知宏監督を招聘。今季はシーズン3位の目標を掲げ、巻き返しを図る。
その中心になるべく4選手をピックアップする。
GK…東口順昭
日本代表に選出された谷晃生を湘南への期限付き延長に踏み切れたのは、この絶対的守護神がいるからだ。被シュート本数、被ペナルティーエリア内侵入回数、被クロス回数でJ1ワーストの数字が並ぶ中で抜群の数字を残した。
セーブ本数、ペナルティーエリア内でのキャッチ本数はJ1トップ、相手クロスをキャッチする回数も58回で2位。そしてキャッチングミスは0回とシーズン通じて安定していた。失点「49」を責めるのは酷というものだ。
プレー回数も多く(ガンバ大阪が前へ出られないという理由もあるが)、敵陣へのパス成功率を見ても隙あらば相手ゴールへ一気に迫る意識の高さがうかがえる。今季はよりチーム全体がコンパクトな守備体型を作ってシュートコースを限定できれば、東口のセーブ率はより高まるはずだ。
DF…昌子源
18年ロシアW杯でレギュラーを張ったセンターバックは、まだ能力の全てを発揮し切れているわけではない。体を張った守備で失点ピンチを救うシーンも目立ったが、スピードとカバリング能力、的確なボール奪取力で日本代表まで上り詰めた男にしては、全ての数字が物足りない。
特にプレーエリアの広さの指標でもあるこぼれ球奪取回数は59回。前方へのパス成功率も、中盤を飛ばしたロングフィードが多かったのも一因だが確率は高くない。
またドリブル回数も1回(成功率0%)。現代サッカーでCBのボールの持ち出しは必要スキルの一つになっており、片野坂監督も求めるところ。フランス時代に痛めた足首の影響は残っているのだろうが、ロシアW杯でベルギーに敗れてピッチを叩いて悔しがる姿に胸打たれたサポーターは、昌子の熱いプレーを待っているはずだ。
MF…倉田秋
昨季は中盤全てのポジションでプレーした。技術の高さはJリーグ屈指だが、1得点2アシストと去年はそれを生かし切れなかった。
顕著なのはチャンスクリエート数とラストパスの本数。家長や脇坂に比べると格段に落ち、前方へのパス本数も少ない。スルーパス成功率こそ高いものの、全体的にチームを活性化させ、自身もゴールに関わる回数が少なかった。
今季は主将に就任。片野坂監督の下でも攻撃的MFとボランチの両方を求められることになりそうだ。元々のボール扱い技術に加えてハードワークも持ち味。どこでエネルギーを使うのか整理されれば個人目標に掲げる「10得点10アシスト」にも近づくはずだ。
FW…宇佐美貴史
ガンバ大阪の至宝は昨季リーグ38試合全てでピッチに立った。残留争いに巻き込まれたチームの先頭に立って6得点3アシスト。ビルドアップに参加するシーンが多かったためパス成功率は高く、チャンスクリエート回数も多い。攻撃の中心になっていたのは、まさしく宇佐美だ。
得点数自体はFWとして寂しいものだが、次のプレーに移行しやすいトラップ技術は高く、またクロス以外の全てのパターンで得点を奪うなどゴールバリエーションは持っている。
ゴール決定率を高め、それらを1つずつ上積みできれば、片野坂監督から求められている今季2ケタ得点も実現する。ある程度の自由を与えられる模様だが、なるべくならば敵陣エリア内でプレーできる回数を増やしたい。
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