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2022シーズンJ1京都サンガのポジション別キーマンは誰だ?

2022 2/18 06:00SPAIA編集部
ピーター・ウタカ,Ⓒゲッティイメージズ
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Ⓒゲッティイメージズ

曺貴裁監督に率いられ12年ぶりJ1復帰

2月18日、川崎フロンターレ-FC東京で2022年のJリーグが開幕する。

今季は12年ぶりに関西4クラブがJ1リーグに勢揃い。各クラブにおける各ポジションで今季もキーマンになるだろう選手を昨季スタッツから検証したい。最終回は京都サンガ。

昨季、曺貴裁監督に率いられてリーグ2位。10年シーズン以来12年ぶりのJ1復帰を果たした。

若手の成長と実績のある選手たちが融合した理想的なチーム作りで、今季はJ1定着への土台固めとなる。昨年J2で躍動したアカデミー出身3選手と、大エースにスポットを当てて検証する。

GK…若原智哉

21年9月11日・琉球戦でのPKストップなど、抜群の反応で数々のビックセーブを見せてきた若原智哉。今季ニュージーランド代表GKマイケル・ウッドやJ1での実績もあるGK上福元直人らが加入したが、若き守護神も新加入組に負けないポテンシャルの高さを持っている。

無失点に抑えるのが最重要課題だが、同時に現代サッカーでは攻撃の起点役も求められる。その意味で敵陣へのパス成功率24.8%が示すように、そこにトライしていることが分かる。

またミドルサード(ピッチを三分割した真ん中のエリア)でのプレー回数7回は、高い守備ラインを取ろうとするチームにおいて広いプレー範囲が求められている証しだろう。

さらなる成長へ向けて必要になってくるのは安定感だ。ゴールキック成功率54.8%はJ1のGKと比べても低く、またキャッチファンブル4回も少なくない。J1ではわずかなミスが大きなピンチになるだけに、持ち味の積極性を保ちつつ“確実性”を高めていけるか。

若原智哉の2021年スタッツ

DF…麻田将吾

1メートル87の長身センターバックは試合を重ねるごとに安定感を増し、ヨルディバイス(現J2岡山)とともにゴール前に鍵を掛けた。

空中戦での勝利回数135回はJ2リーグ全体で11位。クリア、ブロック、インタセプトの総数を示すCBI回数212回は同16位で、総合的な守備能力の高さを証明した。プレシーズン枚方戦(2月5日)ではボランチの位置でプレーしたが、ヨルディバイスが移籍した今季は守備陣のリーダーとして期待が大きい。

もっともハイラインを保ち続けることを狙う曺サッカーにおいて「ミス=失点ピンチ」に直結するためパス成功率は向上させたいところ。昨季は1731本のパスを出して成功率79.1%で、J1のセンターバック陣は80%を超えてくる。さらに前方へのパス成功率62.4%ももう少し上げたい。

持ち運べるセンターバックがいれば、それだけ相手の陣形を揺さぶることもできるだけに、プレースタイルではないがドリブル回数0回も改善したい。

麻田将吾の2021年スタッツ

MF…川崎颯太

1メートル71と小柄なボランチは近い将来、日本を代表する選手になる可能性を秘めている。昨季叩き出したデータは驚愕そのものだ。

まずJ2トップ項目が2つ。タックル勝利数149回は中盤でいかに潰した回数が多いかを物語っており、5秒以内リゲイン回数106回はネガティブトランジション(攻→守への切り替え)の速さが際立っている証拠だ。

そしてJ2全体4位のこぼれ球奪取回数171回からは予測や的確なポジショニングが取れているのが窺える。CBI回数はMF登録選手の中では4位の200回を計測。決して身体能力に恵まれているわけではなく、その中でこれだけの数値を挙げているのはサッカー頭脳の高さと川崎本人の努力そのものだ。

また21年6月26日の岡山戦で挙げた得点のように、中盤で自らボールを奪って、そのまま最前線へ飛び出す動きなどダイナミックさも持ち合わせている。まだ20歳。J1リーグでより高いレベルを体感すれば、さらに成長していく可能性がある。

その中で敢えて向上すべき項目を挙げるならば前方へのパス成功率か。中盤から効果的に縦や斜めにパスを入れられるようになれば、攻撃でもチームの中心的役割を担えるようになる。

川崎颯太の2021年スタッツ

FW…ピーター・ウタカ

2月12日に38歳の誕生日を迎えたが、そのサッカーセンスに衰えはない。昨季J2リーグ2位の21得点で、3年連続J2リーグで20得点超え。ナイジェリア人といえば「身体能力」などを思い浮かべる人もいるかもしれないが、ウタカは違う。

シュートは左右両足で打てるし、得点パターンもドリブルから3点、30メートル未満のパスを受けてのシュートは5点などと多彩…だがヘディングは無得点。そしてチャンスクリエート数はJ2全体2位の96回、ラストパス本数は同4位の53回、アシスト数は同2位の10アシストを記録している。

個で決めるだけではなく周囲を活かす術にも長けており、こぼれ球奪取回数全体20位の138回を計測しているのも意外な数値だろう。

自身にとって5年ぶりのJ1リーグ。J2リーグは走行距離やスプリント回数が計測されず、より強度の高い戦いの中でどれだけのパフォーマンスが発揮できるか見えない部分はある。だが、それでも一定の計算はできるだろう。唯一、恐いのは負傷による離脱か。

ピーター・ウタカの2021年スタッツ


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