坂元達裕、瀬古歩夢が移籍し、大久保嘉人は引退
2月18日、川崎フロンターレ-FC東京で2022年のJリーグが開幕する。
今季は12年ぶりに関西4クラブがJ1リーグに勢揃い。各クラブにおける各ポジションで今季もキーマンになるだろう選手を昨季スタッツから検証したい。第1回はセレッソ大阪。
昨年オフはMF坂元達裕、DF瀬古歩夢が海外へ移籍。J1最多得点のFW大久保嘉人も現役引退した。昨季12位からの巻き返しを図る今季はサイドを主戦場とする選手を攻守で補強。ビルドアップの改善を図り、リーグ3位を目標に掲げる。
その中で注目したいのは以下の4選手だ。
GK…金鎮鉉
在籍14年目。クラブ史上最多出場を誇り、3度のJリーグ優秀選手に選出される実力者は今季もフル稼働が求められる。安定感は健在で、昨季も総セーブ数やペナルティーエリア内での被シュートセーブ数は3位と上位キープ(出場25試合以上選手が対象)。ただセーブ率【セーブ数÷(セーブ数+失点)。枠内シュートをどの程度防いでいるかの割合】が若干下がっている傾向にある。
セーブ数は逆の見方をすれば、それだけシュートを打たれているということであり、改善へはフィールド選手との連係を深めてシュートを打たせない、もしくはコースを限定させることが肝要になるだろう。
DF…西尾隆矢
昨季リーグ31試合出場2得点で、今年1月には日本代表合宿に初選出された売り出し中の20歳。スイスに移籍した瀬古歩夢に代わって、今季はDFリーダーとしての期待も掛けられている。
20歳してはバランスが取れているセンターバックで、パス成功率、ディフェンシブサード(DT)でのタックルによるボール奪取率、シュート決定率は高く、なによりもDTでのファウルストップがない。冷静かつ的確性も兼備されている。
対人には自信を持っているが、それだけではなくカバリング能力の指標になるこぼれ球奪取回数をより高めることができれば、より完成度の高いセンターバックになりそうだ。
MF…乾貴士
昨夏10年ぶりに日本復帰。18年ロシアW杯で日本を沸かせたテクニシャンは右膝軟骨損傷もあり、リーグ8試合1得点2アシストに終わった。それでも21年9月26日・鹿島戦での相手を引きつけてアシストをマークするなど見る者を「ワクワク」させるプレーは見られた。
全体のサンプルが少ないので一概には言えないが、1試合平均スプリント回数は18.6回。これはJ1トップのスプリント回数825回を誇るMF金子拓朗(札幌)が同平均21.7回ということを見れば高い数値だ。
完全復活が期待される今季はドリブル成功率でもう少し高水準を求めたい。またチームがサイド攻撃を軸にする中、決して特徴ではないがクロス成功率0%は寂しい。1試合平均パス本数も少なく、志願の背番号8を背負う乾がサイドで躍動しないことには得点力は上がらない。
FW…加藤陸次樹
J1初挑戦となった昨季もインパクトは十分に残したといえる。右利きながら左足でのシュート決定率の方が高く、ワンタッチゴールが得点パターンとしては多かった。特にクロスに対して飛び込む技術は高く「使われる側」として非凡なスキルが窺えた。1試合平均出場46分の中でチーム得点王の7得点は合格点だ。
ただ今季は「BOX内ストライカー」のブルーノ・メンデスやシュート精度やチャンスメークにも秀でた上門知樹が加入。アシスト「0」だった昨年を踏まえて、よりプレーの引き出しを増やすのか。それともBOX内での強みに磨きを掛けるのか。もしくは両方を求めるか。
大久保嘉人や西澤明訓が背負った背番号20に変更して“真・エース道”を歩み出す今シーズン。どういう2年目の進化を歩むかで今後の“道”が分かれそうだ。
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