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J2の泥沼にはまる東京V、千葉、京都の名門3チーム「苦闘の歴史」

2021 2/17 06:00小林智明
東京V・千葉・京都のJ2年度別成績ⒸSPAIA
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ロティーナの手腕で復活目前だった東京ヴェルディ

東京ヴェルディ、ジェフユナイテッド千葉、京都サンガF.C.の共通点は、J2降格後10年以上が経過したこと。今シーズン、ヴェルディは13年連続、ジェフは12年連続、サンガは11年連続でJ2の舞台で戦う。かつて栄光を手にした名門3チームの長く険しいJ2生活を振り返りたい。

3クラブのJ2年度別成績


Jリーグ初代年間王者のヴェルディは、2度目のJ2在籍となる2009年以降、J1の舞台から遠ざかっている。それでも12年までは、1桁台の順位をキープしていた。

ターニングポイントは、J2降格5年目の13年。クラブOBであり、前ギラヴァンツ北九州監督の三浦泰年が監督に就任すると、北九州時代の教え子である選手を数多く獲得し、陣容が大きく変化。その影響からか、J2では初の二桁順位、13位に終わる。以後、14年にはクラブ史上最低の20位、16年は18位と不本意な結果に…。

復活の気配を見せたのは17、18年シーズン。のちにセレッソ大阪の指揮を執るミゲル・アンヘル・ロティーナ監督(現清水エスパルス監督)を招聘し、守備が整備されたチームは、17年に5位に入り、J1昇格プレーオフへ進出。だが、PO準決勝でアビスパ福岡に0-1で惜敗した。

翌年も開幕から10試合負けなしと好スタートを切り、最後は6位でフィニッシュ。2年連続PO進出を決めたが、J1参入決定戦でジュビロ磐田に完敗し、J1行きの切符を掴み損ねた。ロティーナ監督退任後の19年は13位、昨季は12位と低迷が続く。今季は就任3年目を迎える永井秀樹監督が追求する攻撃サッカーが花開くだろうか。

ジェフユナイテッド市原・千葉は“四度目の正直”も叶わず…

名将イビチャ・オシムの薫陶を受け、05、06年にナビスコカップ連覇を飾ったジェフ。そんな名門が4年後の10年より11年間もJ2でもがき続けるとは…。J2降格5年目までは充実した戦力を武器に上位を保ち、12年からは3年連続でJ1昇格POに進出し、復活のチャンスはあった。

ところが、12年はPO決勝の大分トリニータ戦で0-1とあと一歩で敗れ、13年は同準決勝でリーグ4位・徳島ヴォルティスと引き分け、規定により決勝へ駒を進められなかった。続く14年同決勝も、0-1の僅差でモンテディオ山形に敗れて涙を飲んでいる。

14年後半から約2年間はロンドン五輪ベスト4へ導いた関塚隆監督がチームを率いるも振るわず、15年は9位、16年は11位と順位を下げた。

17年には現在、久保建英がプレーするヘタフェの元監督、フアン・エスナイデルが監督に就任。最終的に6位に滑り込んでPOへ進み、同準決勝で名古屋グランパスと対戦。先制したが、相手FWシモビッチにハットトリックを決められて2-4の逆転負けを喫し、PO四度目の正直とはならなかった…。

そして直近3年間はPOどころか、18年14位・19年17位・20年14位と浮上のきっかけすら掴めていない状況だ。今季は浦和レッズから獲得した元日本代表DF鈴木大輔を軸に、守備の改善に着手したい。

京都サンガF.C.は低迷期から抜け出し“中の上”へ

02年度の天皇杯で初優勝を飾っているサンガも、Jリーグの歴史を彩ってきたクラブ。しかし、4度目のJ2在籍となる11年からは、10年間で3度、昇格POに進出したもののJ2の沼に沈んだままだ。

特に11~13年の大木武監督時代には、POを2度経験。12年は準決勝で敗退し、13年は決勝まで進んだが、ヴォルティスの軍門に下っている。

J2降格4年目、ブラジル人のヴァルデイル・バドゥ・ヴィエイラが監督に就任したあたりから歯車が狂い出す。14年は9位、15年は17位で中位から下位へ。16年にクラブOBの石丸清隆監督が立て直しを図り、5位でプレーオフへ進出(準決勝敗退)したが、翌17年は12位、18年は19位と再び下位へ沈む。

それでも直近では、2年連続8位で“中の上”を保持。昨季はピーター・ウタカがJ2得点王に輝くなど戦力が安定し、明るい兆しが見えてきた。また、今季は曺貴裁を新監督に迎え、湘南時代の教え子となるMF中川寛斗やMF松田天馬らが加入。選手層が増し、走力を生かしたサッカーが見られそうだ。

東京V・千葉・京都のJ2順位変遷


振り返ると、PO進出の回数はヴェルディが2回、ジェフが4回、サンガが3回と3チームともJ1復帰へノーチャンスだったわけではない。やはり勝負所で勝たないと、年々J2からの脱出は厳しくなるのが現実だ。

加えて、昨季に引き続き今季も、コロナ禍の特例により昇格POは設けられない。全22チーム中、上位2チームしかJ1へ行けない狭き門となる。J1復帰の大願成就を目指す名門3チームの行方やいかに。

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