決勝T初戦の相手は前大会準優勝国
ワールドカップ(W杯)カタール大会でグループEの日本は2日、スペイン戦で劇的な逆転勝利を収め、グループ1位で2大会連続の決勝トーナメント進出を果たした。
決勝トーナメント1回戦では、前回ロシア大会準優勝のクロアチアと対戦することも決定した。3大会連続6回目の出場の“ヴァトレニ”(クロアチア語で炎の男の意味)は、モロッコ、ベルギー、カナダと難敵揃いのグループFを1勝2分けで切り抜け2位通過。今大会前のFIFAランクは12位で、ドイツ(11位)、スペイン(7位)に匹敵するサッカー強豪国だ。
チームの中心は、前回大会MVPで同年にバロンドールも受賞したルカ・モドリッチ(レアル・マドリード)。37歳の大ベテランは身長172センチと小柄ながら、豊富な運動量でピッチを駆け回る攻守の要。右足から正確無比なパスを繰り出し、ドリブルでも局面を打開できるピッチ上の“魔術師”だ。今大会でもグループリーグ全3試合にスタメン出場し、チームを牽引していた。日本にとっては要注意人物だろう。
史上初のベスト8へ進出するためには、この強敵を倒さなければならない。ドイツ、スペインに続き三度大きな壁が立ちはだかることになるが、過去、日本とクロアチアとの対戦成績はどのようになっているだろうか。
過去3度対戦し1勝1敗1分け、W杯では未勝利

日本とクロアチアは国際Aマッチで過去3度対戦し、戦績は1勝1敗1分けとなっている。
初めて顔を合わせたのは、1997年6月8日のキリンカップ(国立競技場)。加茂周監督率いる日本は、この試合が代表デビュー戦となる平野孝が先制点を決めると、後半の立ち上がりに三浦知良が2点を挙げ、3-0とリードした。
しかし、ここからクロアチアが猛反撃。アリオシャ・アサノビッチの連続ゴールで1点差に。手に汗握る展開となったが、後半44分に森島寛晃が追加点を決め、最終的に4-3で日本が初対決を制した。
次の対戦は1998年6月20日のW杯フランス大会グループリーグ第2戦(ナント)。W杯初陣となったアルゼンチン戦に0-1で敗れた日本は、早くも後がない状況に追い込まれた中での戦いだった。酷暑の中での一戦は両者譲らず、前半を0-0で折り返す緊迫の展開となる。
消耗戦の様相を呈する中、迎えた後半32分、相手エースのダボール・シューケルに先制点を決められ、そのまま0-1で敗戦。1試合を残して決勝トーナメント進出への望みが絶たれ、苦い思い出となった。
そして、8年後の2006年6月18日のW杯ドイツ大会でもグループリーグ第2戦(ニュルンベルク)で対戦。日本は今大会でも初戦のオーストラリアに敗れ、苦境に立たされていた。一方のクロアチアも初戦でブラジルに敗れており、ともに勝ち点3が欲しい重要な一戦となった。
日本は前半21分に宮本恒靖がPKを献上し、早くも劣勢に立たされるかと思われたが、GK川口能活が見事にストップし、この窮地を脱した。これで勢いに乗りたいところだったが、その後は両チームとも決定力を欠きスコアレスドロー。両者痛み分けとなり、ともにグループリーグ敗退の憂き目にあった。
過去の戦績は五分となっているが、W杯に限るとクロアチアに未勝利の日本。これまで煮え湯を飲まされてきた宿敵相手にリベンジを果たし、悲願のベスト8入りなるか。注目の一戦は日本時間12月6日午前0時キックオフだ。
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