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【スポーツ×スタジアム】第1回 スタジアムで地域活性化できるか?①

2018 10/19 11:00藤本倫史
サッカースタジアム
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スタジアムの進化

スポーツ×ツーリズムをはじめとしたスポーツビジネスの“器”はとても重要である。この“器”=スタジアムについて、このシリーズは述べていきたい。

現在、国内の主要プロスポーツリーグで、スタジアムやアリーナを新築、改築しようする動きは活発化している。これは2020年の東京オリンピックを始めとしたスポーツビックイベントが控えているだけではなく、地域活性化の手段として捉えられており、動きが加速している。

特にJリーグとBリーグは全国各地にスタジアム・アリーナ構想が浮上しており、Jリーグは早くから動き始めた。2007年前後に競技をする場所だけでなく、ビジネスやまちづくりなどをキーワードに欧米を中心としたスタジアム研究を始めたのだ。

この研究から、地方都市の中心市街地にスタジアムを建設しようと「まちなかスタジアム」という言葉や、日本政策投資銀行が「周辺のエリアマネジメントを含む、複合的な機能を組み合わせたサスティナブルな交流施設」のことを指すスマート・ベニューという造語を誕生させた。

そして、今まさにスタジアムは建設ラッシュである。過去を振り返ると、第1の波として、1964年の東京オリンピックを契機に1970年代は高度経済成長の追い風に乗り、総合運動公園の中に陸上競技場と兼用のスタジアムを数多く建設した。第2の波はワールドカップ招致のために、1990年代後半から大型のスタジアムが地方都市にも建設された。そして、第3の波として、全国各地に地方活性化を旗印として建設構想が浮上しているのである。

キーワードは多機能と複合化

ただ、ここで考えないといけないのが、建設費である。皆さんも記憶に新しいと思うが、新国立競技場の建設など建設費が高騰し、社会問題となった。

スポーツはこの多額の税金を使う器が多く、ビジネスと公共性のバランスをどうとるかがよく議論される。

そこでスポーツ庁も昨年6月に、スタジアム・アリーナ改革ガイドブックを公表し、競技する場だけでなく、スポーツ産業を基幹産業へ育て、地域経済を成長させる場として、整備を行っていくことを述べている。  ここで、ポイントとなってくる言葉が「多機能」と「複合化」である。この二つのポイントをJリーグが発刊している「スタジアムの未来」では、8つの項目に分けて説明している。

(1)「文化として」。陸上トラックを外し、ピッチを近づけて競技の専門性と感動を最大限に引き出す劇場スタイルを提唱。

(2)「シンボルとして」。街の誇りとし、クラブカラー、エンブレム、英雄・伝統、ファンショップ、そして、寄付などを行いスタジアムの外壁などに名前を残す。“ホームために”という設計思想でスタジアムを建設する。

(3)「コミュニティができる」。性別、年齢、ハンディを超えて、誰もが楽しめる空間を設計する。

(4)「ホスピタリティー」。社交の場として、VIPやスポンサーがビジネスマッチングを行う場として活用できる。

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