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東京五輪「アルマゲドン発言」に批判も豪州に続きウガンダ、モンゴルも来日へ

2021 6/5 06:00田村崇仁
IOCのコーツ調整委員長Ⓒゲッティイメージズ
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Ⓒゲッティイメージズ

IOCのご意見番と国民感情の温度差

国際オリンピック委員会(IOC)の「ご意見番」として知られる79歳の最古参、ディック・パウンド委員(カナダ)が、開催に懐疑的な声が高まっている東京五輪について「予見できないアルマゲドンでもない限り実施できる」と英紙イブニング・スタンダード(電子版)に語り、国内外で批判が噴出している。

「アルマゲドン」とは世界最終戦争や人類滅亡を意味する言葉だ。歯に衣着せぬ物言いで世界各国の取材に応じるIOCの重鎮は元競泳選手で1960年ローマ五輪にカナダ代表として出場し、引退後は五輪マーケティングの礎を築いて世界反ドーピング機関(WADA)の初代委員長も務めた人物。

「何が問題なのか分からない。十分な情報を持つ科学者たちが保険機関と連携し、五輪を開催しても日本国民へのリスクは増加しないと言っている」とも持論を展開した。

映画化もされた過激なアルマゲドンという表現をあえて使い、世界が滅亡するような突発事態が起こらない限り五輪は開催されると強調したとも受け取れるが、新型コロナウイルスの変異株拡大で先行きに不安を抱える日本の国民感情を考えれば温度差が改めて浮き彫りになった形だ。

豪州ソフトボール代表が6月1日入国、隔離は免除

そんな「五輪開催ありき」の姿勢を強くにじませるIOCと国内世論の落差が一段と拡大する中、7月23日開幕の東京五輪は強行開催へ加速のアクセルを踏んでいる。

5月21日の記者会見では、五輪の準備状況を監督するIOCのコーツ調整委員長(オーストラリア)が「緊急事態宣言下でも開催が可能だ」と強気に発言し、中止を否定する意向を改めて表明。6月1日には東京五輪に出場するソフトボールのオーストラリア代表が各国・地域の先陣を切って事前合宿のため来日し、群馬県太田市に到着した。

海外チームの入国は五輪延期決定後では今回が初めて。毎日PCR検査を受けるため通常14日間の隔離は特例で免除。コロナ対策として、6月4日まではホテルで待機し、翌5日から合宿を始動する。

新型コロナ禍で開催への疑念が消えず、地元の歓迎と抗議の声も渦巻く中、選手20人、スタッフ9人の一行は滞在中の行動範囲をホテルと練習会場に限り、外部との接触を避けた「バブル方式」で滞在。約1か月半の長期間、感染対策の成否が五輪の試金石にもなる。

事前合宿の撤退は100超、成功モデルに?

オーストラリアはソフトボールが正式種目だった過去4回の五輪で銀1、銅3のメダルを獲得した強豪。東京五輪では7月21日に福島県営あづま球場で、全競技を通じた最初の「開幕戦」で日本と対戦する。

事前合宿では実業団や大学計12チームと練習試合を重ねる予定だ。日本代表との試合も検討されている。

今回の来日はオーストラリア国内の感染対策が厳しく、試合や練習を十分できないとの事情があって実現したという。五輪・パラリンピックのホストタウン事業で、事前合宿や交流事業を断念した自治体が既に105に達する中、異例のケースとも言えるが、日本側は滞在中の検査や行動管理を徹底して「成功モデル」にしたい考えだ。一方でコロナ対策にほころびが出れば、逆風がさらに強まる恐れもある。

毎日PCR検査も「バブルの穴」に警戒

約1カ月半の滞在中は毎日PCR検査を受け、行動範囲は宿泊先のホテルと程近い野球場に制限。コンビニエンスストアなどに行くこともできず、日用品の調達など必要なものは市職員が「買い出し」に行く計画だ。

ホテル内もフロアの一部を貸し切りとした上で、一般客との動線や食事提供場所を分け、極力接触しない厳戒態勢を取る。

一方で太田市の清水聖義市長は6月1日、チームが希望すれば外出先を市内のショッピングモールなどに広げることを検討するとも表明しており、厳格な行動制限を定めた「バブル」に穴が生じる危うさが早くも漂う。

難しい選手との距離、16日にウガンダ、7月中旬にモンゴルも来日へ

群馬県は5月に入って新規感染者数が急増し、太田市を含む10市町を対象に、6月13日を期限とする「まん延防止等重点措置」が適用されている。練習試合の見学に市民を招く計画はあるが、当初の想定とは異なり、市民との交流はオンラインを活用するなど限定的になる見通しだ。

ソフトボール日本代表の関係者は「せっかく来日してもらって『おもてなし』したいのに、選手との距離感が難しい。ソフトボールが最初に競技も始まるし、あらゆることを試されている感じがする」と複雑な心境を明かした。

6月中には五輪の事前合宿でさらに数カ国の来日が予定されており、大阪府泉佐野市では6月16日にウガンダ、7月中旬にモンゴルの選手ら計30人ほどを受け入れる。

東京都などに発令されている新型コロナ緊急事態宣言の再延長で多くの国民が疑念を抱えたまま、好転の気配がない世論を置き去りにする形で、東京五輪の準備は最終段階に突入している。

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