運動時の音楽は「ドーパミン」を分泌させ疲労感を軽減
運動時に音楽を聴くことはあるだろうか。音楽と運動に関するWEB調査では、ランニングなどの運動時に「音楽を聴いている」と回答した人は、6割を超えており、半数以上の人が運動時に音楽を聴いている。
運動時の音楽は体に様々なメリットをもたらす。東京大学の池田裕二教授によると、運動時の音楽は、脳内のシステムを活性化させ「ドーパミン」を分泌させるという。「ドーパミン」の分泌は、体に心地よさを与えるため運動による辛さが鈍り、疲労を感じにくくなるのだ。運動は辛いものと思っており、なかなか運動に取り組めない人は運動中に音楽を聴くことをおすすめしたい。
また、運動時の音楽は疲労感を軽減させるばかりか、ダイエット効果も高める。効率的にダイエットを行いたい方はぜひ運動時に音楽を取り入れたい。
運動時の音楽はパフォーマンスを高めカロリーの消費量を増加させる
運動中の音楽が直接脂肪の燃焼に影響を与えるわけではないが、音楽を聴くことで運動による辛さがまぎれ、更にはパフォーマンスも向上するため、同じ時間内の運動では必然的に運動量が上がり消費カロリーが増えるのだ。
週に1回以上ランニングを行う、運動実施者の約9割が「運動中に音楽を聞くとパフォーマンスが高まる」と答え、運動している本人も音楽がパフォーマンスに影響を与えることを感じている。
海外で行われた研究によると、12分間の自転車運動で音楽を聴く場合と聴かない場合の走行距離を比較した結果、音楽を聴いた場合の方が走行距離が増加したことが報告されている。このことからも、同じ運動を行っても音楽を聴くことでパフォーマンスを自然と向上させ、運動量を増やしカロリー量を増加させることができるのだ。
脂肪の燃焼には、息が「ぜいぜい」上がるほどの高強度の運動よりも友達とおしゃべりできる程度の運動負荷が有効であるため、ジョギングやランニングなど低負荷の有酸素運動で音楽を取り入れ効果的にダイエットに励みたい。
1分あたり120〜140回のテンポを刻む音楽が運動量を増加させる
有酸素運動時に音楽を聴くことはパフォーマンスを向上させ、疲労感を取り除くことでカロリー消費量を増加させることが可能になるが、聴く音楽の種類やテンポによっても効果に違いが現れる。
音楽のテンポと体への影響に関する研究は数多く行われており、テンポの速い音楽とテンポの遅い音楽、自分が好きな音楽とでは体に及ぼす影響が以下のように異なるのだ。
様々な音楽がある中で、テンポの速い音楽は運動のリズムを速めて、より運動量を増加させる。運動のペースを苦労せずに自然と上げることができ、消費カロリーを増やすことができるのだ。
具体的には、1分間あたり120〜140回のテンポを刻む音楽が運動リズムを速め、ダイエット効果を高めてくれる。テンポが120〜140回の音楽例としては、3代目J Soul Brothersの「R.Y.U.S.E.I.」やJustin Bieberの「baby」がそのテンポに当たる。
運動中のハイテンポな音楽は、運動リズムを速め消費カロリーを増加させることができ、ダイエット効果をもたらす。音楽を楽しみながら運動に取り組み、体をシェイプアップさせていきたい。
《ライタープロフィール》
近藤広貴
高校時代にボクシングを始め、全国高校総体3位、東農大時代に全日本選手権3位などの成績を残す。競技引退後は早稲田大学大学院にてスポーツ科学を学ぶ。現在は母校の教員としてボクシング部の指導やスポーツに関する研究を行う傍ら、執筆活動を行っている。
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