「スポーツ × AI × データ解析でスポーツの観方を変える」

GⅠ57勝!完全制覇まであと4レース GⅠを勝ったディープインパクト産駒たち

2020 4/23 10:00門田光生
イメージ画像ⒸSPAIA
このエントリーをはてなブックマークに追加

ⒸSPAIA

ディープインパクト産駒データ編

ディープインパクト産駒のGI勝ちは国内外合わせて57勝。さまざまなタイプの馬を輩出しているが、ダートのGI級は中央開催1回だけ行われたJBCレディースC1頭だけ(J・GIも1頭)。スプリント部門に関してはいまだGI馬が出ていない。

現時点でいえるのは「芝向き」で「距離適性はマイル以上」ということだが、果たして最も得意な条件はどこにあるのか。それは母系が影響しているのか。また、ディープインパクト産駒で最も勝っている騎手は誰なのかなど、データを調べると意外な事実がたくさん出てくる。

検証範囲は産駒がデビューした2010年から2020年までの10年間。2020年に生まれてくる産駒が最後の世代になるが、それまでに勢いが衰えるとは思えない。しっかりデータを頭に叩き込んで、春のクラシックに挑みたい。

4騎手が6勝でトップタイ

まずはディープインパクト産駒で最もGIを勝っている騎手は誰なのか。1位は6勝で浜中騎手と川田騎手とルメール騎手に福永騎手。

浜中騎手はアイル、クイーンのミッキー2騎の印象が強いが、川田騎手は6頭とも全て違う馬での勝利している。

ディープ産駒がGIを勝った時の年齢はというと、3歳世代が圧倒的。成長のピークが3歳、という馬が圧倒的に多いようだが、古馬になってからもコンスタントにGIを勝っているので「早熟」とは一概にはいえない。さらに踏み込むと、2、3月生まれのディープ産駒が最もGIを勝っているのだが、GI馬全体で見ると3月生まれ、次いで4月生まれの順になる。

また、ディープ産駒全体だと3月生まれが最も多く、次いで2月生まれの順だが、これがJRAでデビューしたサラブレッド全体だと4月生まれが最も多く、次いで3月。ディープ産駒は全体的に早生まれの傾向があるようで、これが3歳世代で圧倒的な強さを見せる理由なのかもしれない。

やはり産駒も差し馬が圧倒的

脚質は差してGIを勝った馬が圧倒的。ディープ産駒=切れ味というイメージ通りの結果だろう。それを裏付けるのが馬場で、国内のGIでは良馬場、稍重でしか勝っておらず。当然ながら良馬場の回数が圧倒的に多いとはいえ、これも納得のいくデータといえる。

面白いところでは毛色。GI勝ちしたディープ産駒では鹿毛が圧倒的に多く、海外所属のGI馬4頭も全て鹿毛だ。最も少ないのは芦毛で、ダノンプラチナの1勝のみ。しかし、ディープ産駒全体で見ると、最も勝率がいいのは芦毛。ディープ産駒の芦毛はあまりピンとこなかったので意外だった。2月15日に行われたクイーンCは、ディープ産駒で「最も勝っている」福永騎手騎乗の、最も勝率がいい「芦毛」のミヤマザクラが勝利。ちょうど原稿を書き始めた時期だった。「あっ」と気づいたのはレースが終わってからという自分が情けない。

最後に気になるお値段。

ディープGI馬のセリ価格ⒸSPAIA

セールで上場されてGIを勝ったのは、海外GI勝ち馬を含めると13頭。最高値は豪州GIを2勝したトーセンスターダム(2012年セレクトセール1歳)で、落札価格は2億6250万円。次いでワールドプレミア(2016年セレクトセール当歳)の2億5920万円。ちなみに、ワールドプレミアの半姉(父ネオユニヴァース)は、トーセンスターダムと同じ年の同じセリに出ており、落札価格は2位だった。

最低価格はラキシスとダノンシャークの3150万円。ラキシスは牝馬とはいえ、ノーザンファーム生産のディープ産駒。その後の活躍は周知の通りで、かなりのお買い得だったといえる。

《関連記事》
コントレイルは別格?2歳GⅠ馬7頭が3歳以降無冠【ディープインパクト産駒2歳編】
【ディープインパクト産駒(3歳編)】GⅠレースは完全制覇も意外な事実が!
ジェンティルドンナ、マリアライトなど牡馬顔負けの大物ばかり!【ディープインパクト産駒 古馬中・長距離編】

GⅠを勝ったディープ産駒一覧