昨年はチャンピオンズC組のワンツー
2022年2月20日に東京競馬場で行われるのは、第39回フェブラリーS。JRAでは今年初めて行われるGⅠとなる。昨年はチャンピオンズC組がワンツーを決めたが、過去の傾向もチャンピオンズC組が王道路線なのかどうか。また2着のエアスピネルは8歳馬だったが、ダート競馬らしく高齢馬の活躍が目立っているのか。そのあたりを含めて、いつもより少し長い過去15年の成績を基にしてデータ検証していきたい。
その前に、施行日が「2022年2月20日」ということで、過去の2枠、または2番枠の成績を調べてみた。2番枠に関しては特に目立った成績はなかったが、2枠は4勝、2着2回。全枠順で勝率、連対率ともトップとなっていた。出目論者のファンにとって、例年以上に「2枠」が熱い……かも?
☆所属
では、過去15年分の成績を振り返ってみよう。まずは所属別。開催が東京競馬場ということで関東馬のホームとなっているが、出走頭数で圧倒しているのは栗東所属馬。栗東188頭に対して、美浦所属馬は36頭(地方所属馬は13頭)。成績も栗東25連対(13勝)、美浦4連対(2勝)、地方1連対(0勝)。
ただ、勝率と連対率では、東西で大きな差はついていない。また、美浦の2勝は2018年のノンコノユメと2021年のカフェファラオ。栗東に比べると少ない出走頭数ながら、ここ4年で2勝を挙げており、近年は美浦勢の方が好走確率が高いという見方もできる。
☆年齢
昨年は8歳馬が2、3着と好走したが、全体を通して成績がいいのは4歳馬(5勝、8連対)と5歳馬(6勝、9連対)。近5年で見ると、若い馬から高齢馬まで、満遍なく馬券に絡んでいる。7歳以上は連対した7頭すべてが2着馬。勝ち馬は出ていない。
また、年齢にかかわらず、馬券に絡んでいるのはすべて牡馬かセン馬。牝馬は13頭と出走頭数も少ないが、馬券に絡んだ馬はいない。
☆前走クラスと前走
ダート最高峰のレースだけあって、連対馬30頭中、前走が重賞(地方含む)だった馬が28頭。例外は3勝クラスとオープンに1頭ずつ。
オープンから勝ったのは2014年に殿人気で激走したコパノリッキーで、3勝クラスからの2着は2009年のカジノドライヴ。カジノドライヴに関しては、本番でエスポワールシチーやサクセスブロッケンより人気しており評価が高かった馬。基本は重賞組が中心と考えたい。
地方を使った組も10連対と結果を残しているが、うち8頭が2着。特に東京大賞典組から勝ち馬が出ていないことは頭に入れておきたい(2008年の1着馬ヴァーミリアンは東京大賞典出走後、川崎記念を取り消し)。
その重賞だが、連対数が多いのは同じ東京で行われる根岸S。ただ、出走頭数もほかのレースに比べると抜けて多く、勝率や連対率での比較ではむしろ見劣ってしまう。率が高いのはチャンピオンズC組(JCダート含む)。【4-3-2-11】で連対率は35%と優秀。
名前が変わる前も、変わった後も安定した成績を残しており、ここを経由してきた組が一番信頼できる。また、2012年まで1月に行われていた平安S組は【1-0-0-15】と苦戦の傾向だったが、2013年から入れ替わりで組み込まれた東海S組は【3-1-1-15】で、どちらかというと相性のいい前哨戦となっている。
☆前走距離と前走馬体重
1400mで行われる根岸Sの好走率がもうひとつということもあり、前走から距離延長となる組は【4-2-5-94】。勝率、連対率ともイマイチ。逆に距離短縮組は【11-13-9-89】。連対馬の大多数がこの組となる。サンプルは少ないが、前走が本番と同じマイル戦だと【0-0-1-9】で連対馬がいなくなる。ただ、着外9頭のうち、7頭は前走が芝だった馬なので、ダート戦に限れば割り引く必要はなさそうだ。
馬体重に関してだが、冬場のダート戦らしく、大型でパワーのある馬が好走している傾向。具体的にいえば、前走馬体重500キロ以上が22連対(12勝)。出走頭数にそこまで大きな差はないだけに、大型馬有利と考えて間違いないだろう。
☆その他
そのほかで気になったデータはというと、まず前走着順。前走1着馬は半分以上の8勝。2着も6回あり、ほかの前走着順と比べて抜けている。またゴールドアリュール産駒が8連対(4勝)。さすがに産駒は少なくなってきたが、今年も出走しているようならマークが必要だろう。
マイナスデータだが、まず上記にも書いたように馬券に絡んでいない牝馬。続いて連闘、または中1週で使ってきた馬からも連対馬が出ていない。前走で芝を使っていた馬もすべて圏外。また、前走着順が悪くても巻き返した馬はたくさんいるが、1.9秒以上の負けだと【0-0-0-18】となる。あとサンプル数は少ないが、クロフネ、サウスヴィグラス、パイロというダートに実績のある種牡馬の産駒は、それぞれ4頭が出走してすべて3着を外している。