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【愛知杯】荒れる牝馬のハンデ重賞 中京2000m巧者が馬券のキーポイントだ!

2022 1/12 17:00高橋楓
中京芝2000m主な好成績騎手,ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

東西格差は今でも健在!?狙いは「1枠」「6枠」

1月開催の競馬で語り草になる馬と言えば「モチ」が真っ先に頭に浮かぶ。若駒ステークスでの「モチ粘っている!モチ粘っている!」という名実況は、オーナーが馬名につけた「逃げたら粘り、追い込んだら伸びる」を現実のものにしてくれた。

実は愛知杯に牡馬も出走できた時代の最後の勝ち馬も「モチ」と同じ小田切オーナーの持ち馬で「カゼニフカレテ」。牝系を見ると母マナーリー、祖父ラグビーボール、祖母ノスタルジア全てが同オーナーの所有馬で、愛を感じる血統馬だった。近年は荒れる重賞として有名な愛知杯。しっかりと絞り込んでいきたい。

愛知杯 東西所属別成績,ⒸSPAIA


愛知杯は近10年の間に開催時期の変更、中京コースの改修、小倉開催など共通データが出し辛いレースとなっている。その中で数字に差がでているのが、関東馬と関西馬の成績である。

過去10回は関東馬が[3-2-5-48]で勝率5.2%、連対率8.6%、複勝率17.2%なのに対し関西馬は勝率6.3%、連対率13.5%、複勝率18.0%となっている。また、関東馬は5番人気以内に支持されても[1-1-1-10]と人気を裏切るケースが多く過信は禁物だ。

牝馬・中京・芝・2000m限定枠番ランキング,ⒸSPAIA


2012年3月の馬場改修以降で、牝馬が中京の芝2000mを走った2247回。次はこれについて枠順別成績を見る。

1枠[18-14-12-174]勝率8.3%、複勝率20.2%
2枠[16-16-14-195]勝率6.6%、複勝率19.1%
3枠[12-19-17-200]勝率4.8%、複勝率19.4%
4枠[16-11-21-233]勝率5.7%、複勝率17.1%
5枠[14-14-21-216]勝率5.3%、複勝率18.5%
6枠[21-20-16-227]勝率7.4%、複勝率20.1%
7枠[17-21-27-290]勝率4.8%、複勝率18.3%
8枠[20-21-14-300]勝率5.6%、複勝率15.5%

数字で表すと、中京の芝2000mは1枠と6枠が好成績という事が分かる。特に6枠は牝馬の単勝回収率150%なだけに、悩んだときは馬券の買い目につけ足しても面白そうだ。

中京巧者は「川田将雅騎手」&「ディープインパクト産駒」

中京・芝2000m限定騎手リーディングランキング,ⒸSPAIA


次に2012年3月1日から2022年1月7日までに中京競馬場で行われた芝2000m戦での騎手、種牡馬のベスト5を紹介していく。

第1位 川田将雅[31-19-15-55]
第2位 福永祐一[23-22-16-80]
第3位 松山弘平[22-21-20-155]
第4位 藤岡康太[18-20-14-128]
第5位 M.デムーロ[17-10-8-42]

トップは川田将雅騎手。勝率25.8%、連対率41.7%、複勝率54.2%という驚異的な数字をマークしている。また当該条件の牝馬限定に絞った場合、[11-9-6-18]で勝率25.0%、連対率45.5%、複勝率59.1%と実に6割近い複勝率を誇っている。今年は重賞勝ち馬デゼルに騎乗予定で、目が離せない。

また、騎乗回数が少なくランクインしていないC.ルメール騎手も[12-11-7-29]で勝率20.3%、連対率39.0%、複勝率50.8%のハイアベレージ。こちらは昨年の勝ち馬で、重賞戦線で活躍しているマジックキャッスルに騎乗予定だ。

中京・芝2000m限定種牡馬リーディングランキング,ⒸSPAIA


次に種牡馬ランキング。

第1位 ディープインパクト産駒[65-59-47-322]
第2位 ハーツクライ産駒[36-40-29-277]
第3位 キングカメハメハ産駒[28-25-27-169]
第4位 ステイゴールド産駒[26-13-18-217]
第5位 ハービンジャー産駒[19-15-20-173]

トップはディープインパクト産駒で勝率13.2%、連対率25.2%、複勝率34.7%、単勝回収率121%もお見事としか言いようがない。またキングカメハメハ産駒も勝率11.2%、連対率21.3%、複勝率32.1%と、ディープインパクト産駒と大差無い数字を残している点も見逃せない。

豪脚デゼルの復活に期待!

本命は関西馬デゼルにする。昨年4月の阪神牝馬S以降、掲示板を外すレースが続いているが、「川田将雅騎手」×「ディープインパクト産駒」は先にあげた通り実績は1番。

近2走以内にエリザベス女王杯を走り、このレースに挑んだ馬は過去10回で9連対していて、うち6頭がエリザベス女王杯で8~11着に負け、ここで巻き返している。デゼルも8着に負けた後の転戦。意外な事にGⅢには初出走の本馬。力は足りているとみている。

対抗は4歳馬で秋華賞3着馬の関西馬アンドヴァラナウト。ここまで7戦すべて馬券圏内の堅実さが魅力のキングカメハメハ産駒。デビュー以来、福永祐一騎手が手綱をとってきたが怪我の為、松山弘平騎手に乗り替わりとなった。先の騎手ランキングで紹介した通り、当該舞台ではリーディング第3位。気にしすぎる必要は無いだろう。すべてのレースでしっかり先行し、上がりも安定しているのが本馬の魅力。手堅く馬券圏内に食い込んでくると見ている。

3番手は着実に力をつけてきた関西馬ソフトフルート。2020年は秋華賞でデアリングタクトの3着。その後エリザベス女王杯6着で2021年の飛躍を期待されたが、3勝クラスでやや足踏みした。

しかし勝ち上がると本来の力を発揮し、新潟牝馬Sを2着しエリザベス女王杯を4着。騎乗予定の岩田望来騎手は当該条件で[10-6-7-45]、第10位の勝ち星をマークしている。この馬で重賞初制覇があっても何ら不思議無い。

4番手は昨年一気に成績を伸ばしたマリアエレーナとしたい。ここまで11戦して10戦で上がり3ハロンタイムが3位以内、うち8戦が上がり1位の堅実な切れ味を持っている本馬。

これまで斤量54kg以上は[1-2-1-3]、53kg以下は[3-0-1-0]となっている。54kg以上は全て1800m以下のレース、53kg以下は全て2000m以上のレースなので斤量だけで片付けることはできないが、53キロのハンデは歓迎材料だ。

以下、昨年の覇者ながら前走の大敗が気になるマジックキャッスルは5番手まで、ユートピアSの内容が素晴らしかったラルナブリラーレまで印をまわしておきたい。

◎デゼル
◯アンドヴァラナウト
▲ソフトフルート
△マリアエレーナ
×マジックキャッスル
×ラルナブリラーレ

《ライタープロフィール》
高橋楓。秋田県出身。
競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』にてライターデビュー。競馬、ボートレース、競輪の記事を中心に執筆している。

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