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【京成杯】再び進撃開始だ、オニャンコポン  ポイントは中距離経験

2022 1/10 17:00勝木淳
京成杯インフォグラフィック,ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

好走ゾーンはキャリア1、3戦

皐月賞まで3カ月。有力どころが集まるトライアルの前に賞金加算を目論む、ちょっと格下の馬たちが集まる。京成杯はそんな意味合いが強く、長くクラシックに直結しないと評価され続けた。

しかし、皐月賞が年明け初戦というローテが目立ち、昨年の皐月賞馬エフフォーリアが共同通信杯から本番に進んだように、本番に近いトライアルより少しでも間隔をとれるレースが重視されつつある。そういった意味で、皐月賞と同条件、かつ3カ月前の京成杯もまた見直されつつあり、かつてほど本番に「出るためだけ」のレースではなく、本番を見すえたレースに変化してきた。

以前も京成杯勝ち馬から07年サンツェッペリン、10年エイシンフラッシュ、18年ジェネラーレウーノと皐月賞で穴を開ける馬が出現。穴党にとっては春に向けて見落としくないレースだ。ここでは過去10年間のデータをもとに好走傾向を探っていく。

人気別成績,ⒸSPAIA


過去10年、1番人気は【3-3-1-3】勝率30%、複勝率70%。2番人気【1-3-1-5】勝率10%、複勝率50%も含め堅実、1、2番人気いずれも4着以下だったのは13年の1回。軸選びは絞っていい。ただし5番人気【2-2-0-6】勝率20%、複勝率40%、6番人気【0-0-4-6】複勝率40%、7番人気【2-2-1-5】勝率20%、複勝率50%と中穴激走の可能性は高く、絞りすぎるのは危険だろう。

キャリア別成績,ⒸSPAIA


3歳はじめの重賞らしくキャリア別成績も指標になる。1戦【3-1-3-13】勝率15%、複勝率35%、3戦【5-5-2-28】勝率12.5%、複勝率30%あたりがいい。2戦【1-2-3-27】勝率3.0%、複勝率18.2%も含め、だいたい1~3戦が好走ゾーンだ。

前走距離が注目ポイント

そこでキャリア1戦と2戦以上にわけて、それぞれの傾向を丁寧に見ていきたい。

前走新馬・コース別成績,ⒸSPAIA


まずはキャリア1戦、前走新馬組についてコース別成績からみていく。前走新馬が東京芝2000mだと【1-1-0-0】。昨年の勝ち馬グラティアス、20年2着スカイグルーヴがいる。中山芝1800m【1-0-1-1】、東京芝1800m【1-0-0-2】と、クラシックを意識した関東圏の中距離戦で初陣を飾った馬の成績がいい。同条件の中山芝2000m【0-0-1-1】、阪神芝2000m【0-0-1-1】と比較的出走メンバーが集まる中距離新馬組には注意だ。

キャリア2戦以上・前走クラス別成績,ⒸSPAIA


ではキャリア2戦以上はどうだろうか。こちらはまず前走クラス別成績をみる。ここでは前走重賞【1-4-1-34】勝率2.5%、複勝率15%、未勝利【1-3-2-21】勝率3.7%、複勝率22.2%、1勝クラスとオープン【5-2-4-44】勝率9.1%、複勝率20%にわけて掘り下げる。

前走重賞・距離別成績,ⒸSPAIA


前走重賞組について距離別にみると、2000m戦だった馬は【0-3-1-16】複勝率20%と勝ち馬こそ出ていないが、朝日杯FS組が当てはまる2000m未満【1-1-0-18】勝率5%、複勝率10%より手を出しやすい。京都2歳S、ホープフルSなど中距離志向の重賞出走組を狙いたい。夏の新潟2歳S以来のアライバルや東京スポーツ杯2歳S3着テンダンスよりホープフルS11着のオニャンコポンを狙いたい。

前走未勝利・距離別成績,ⒸSPAIA


前走未勝利組については新馬や重賞組ほど前走2000m出走馬が【1-2-1-15】勝率5.3%、複勝率21.1%と目立たず、2000m未満【0-1-1-6】複勝率25%と拮抗。こちらは着差を重視したい。0.0差勝ちだと【0-0-0-8】、0.1以上つけると【1-3-2-13】勝率5.3%、複勝率31.6%。前走未勝利組は距離を問わず、着差を重視したい。0.3差勝利のサンストックトン、キャリア5戦だが、0.4差つけたタイセイディバインなどが当てはまる。

前走1勝クラス・オープン・コース別成績,ⒸSPAIA


最後に前走1勝クラス、オープン組のコース別成績。同条件の中山芝2000mは【2-2-2-16】勝率9.1%、複勝率27.3%。17年コマノインパルス、18年ジェネラーレウーノと葉牡丹賞組が連勝した。ついでエリカ賞の阪神芝2000m【1-0-2-9】勝率8.3%、複勝率25%。今年はヴェールランスが出走予定だ。好走は東京芝1800m【1-0-0-1】まで。この組はマイル戦やダート戦出走馬の好走はない。

京成杯インフォグラフィック,ⒸSPAIA



ライタープロフィール
勝木 淳
競馬ライター。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュース個人オーサーを務める。共著『競馬 伝説の名勝負』シリーズ全4作(星海社新書)。

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