世代屈指の小回り巧者
今年で第95回を迎える伝統のG2戦、中山記念。2月の別定戦G2という、G1へ向かう強豪馬にも、本レースを目標とする中山巧者にも使いやすい舞台であり、地力、適性、状態などさまざまな要素が絡み合う一戦だ。ただ、今年はG1馬不在で例年とは少々様相が違うが……。
【セントライト記念】
前日は好走馬直線平均進路が6.3で開催最大数値を見せるも、馬場が回復したこの日は5.3に落ち着いた。トラックバイアスは「内外フラット」。レースは前半1000m62.6のスローペースで「前有利」。残り6Fからペースが上がり、持続力の活きる展開でもあった。
1着馬バビットは単騎逃げで展開利あり。ただ、終始手前変換にスムーズさを欠いたうえ、上がり1Fはメンバー中単独2位。サトノフラッグやガロアクリークには力差を見せつけた。菊花賞、有馬記念と条件や展開が向かず敗戦が続いているが、今回の中山芝1800mはHaloの4×4や母が持つThatch=Specialの4×3のスピードや粘着力を活かすには絶好の舞台だろう。久々に強い姿が見れそうだ。
3連勝で重賞初制覇

【中山金杯】
Cコース初週ではあったが、連続開催の影響で全体的に馬場は荒れた状態。内外の差は感じられず。レースはロザムールの楽逃げで前後半1000m62.0-58.9の後傾3.1秒。「前有利」。1着馬ヒシイグアスと2着馬ココロノトウダイも基準上「差」としたが、4角では3列目につけており、ここが最低ラインだった。
ヒシイグアスは先行争いでごちゃついて普段より1、2列下げたが、持ち前の機動力を活かして初重賞制覇。メンバーレベルが高くないなかでの54キロだっただけに今回が試金石ではあるが、元々素質が高かった馬だけに楽しみはある。
3着馬ウインイクシードは3~4角を2番手で回ってきたが、直線では2頭の追撃を凌ぎ切れず。展開に恵まれた感は否めず、ヒシイグアスとの余力差も考慮すると、今回も展開利は欲しいところだ。
内前有利のトラックバイアス
【京都金杯】
12月13日以来のAコースでの開催であり、内ラチから3mは良好なコンディション。1日通して内目先行馬の好走が目立った。レースはエントシャイデン、ボンセルヴィーソ、タイセイビジョンが馬群をやや離しての先行争いとなったが、先頭でも前後半3F35.2-34.6の平均ペース、後続においては4番手で同36.1-34.0の超スローペースであった。
600~1000mを23.0秒で走っており中盤からのペースアップとなったが、600m以降は下り坂が続くためそれほど負荷はかからなかっただろう。出遅れ等はまだしも、中団以降で頑張って折り合いをつけていた馬はノーチャンス。「内前有利」。
1着馬ケイデンスコールは1枠2番からラチ沿いを確保。さらにスローペースの集団を引っ張る形でもあり、展開は相当向いている。直線で外に切り替える際に少々ロスはあったが、さすがに展開が恵まれた感は否めないか。久々の右回りという点も不安要素だ。
穴は前走不利のあの馬!
G1馬不在で実力拮抗の2021年中山記念。適性と状態を重視するならバビットとヒシイグアスが有力だろう。前者は久々に力を出し切れる舞台を向かえ、後者は3連勝で中山金杯を制して勢いに乗っている。
穴で期待するのは前走展開不利のパンサラッサ。Special=Thatchの6×5・5の粘着力はバビットとセットで抑えたい。
注目馬:バビット、ヒシイグアス、パンサラッサ
※記事内の個別ラップは筆者が独自に計測したものであり、公式発表の時計ではありません。
ライタープロフィール
坂上明大
元競馬専門紙トラックマン。『YouTubeチャンネル 競馬オタク(チャンネル登録者45000人強)』主宰。著書『血統のトリセツ』。血統や馬体、走法、ラップなどからサラブレッドの本質を追求する。
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