ダノンファンタジーが重賞5勝目
12月26日に阪神競馬場で行われたのは阪神カップ。昨年の春秋マイル王で、今年も安田記念3着、マイルCS2着の好成績で臨んだインディチャンプが単勝1.5倍の断然支持に推されていた。
ほぼそろったスタートから、人気どころではステルヴィオがやや出遅れ。内でイベリスが押して先手をとり、ヤマカツマーメイドが2番手、その外にマルターズディオサが続く。好発を決めたダノンファンタジーはインの4番手、インディチャンプは外め11番手。
600m通過は34.0秒。決して楽なペースではなかったが、時計の出る馬場状態と出走馬のレベルを考慮すれば平均的な部類。事実、後半600mも34.3秒でまとめているので、後手を踏んだステルヴィオあたりには厳しい展開だった。
直線は外からマルターズディオサがまず先頭に立ったところに、内からダノンファンタジーが抜け出し、そのまま突き放して勝利。マルターズディオサが残して2着、外を回ったインディチャンプは上がり34.0の末脚で懸命の追い上げを見せるも、3着までだった。
マルターズディオサにかかる期待
勝ったダノンファンタジーはテン乗りの藤岡佑介騎手。スタートを見事に決め、内の馬が押して争った後ろに馬なりで労せず入るファインプレー。内回りの直線は入り口でどうしても逃げ馬と2番手の間にスペースができる。あとはそこを出るだけ、という形を一瞬で作り上げていた。
これで重賞5勝目、うち阪神で4勝というコース巧者。反面、ヴィクトリアマイルの舞台である左回り、東京は【0-1-0-3】といまひとつ。エリザベス女王杯の2200mは長いだろうし、条件の合うGⅠがないのは歯がゆい。
2着マルターズディオサは大外枠。秋華賞から600mの距離短縮、速めのペースでも楽に3番手につけて、直線は手ごたえよく先頭の形を作った。最近は引っかかる面を見せていただけに、距離は1400~1600mくらいが合っているのだろう。なお、阪神Cで連対した3歳馬は過去10年で4頭おり、うち3頭(グランプリボス、ミスターメロディ、グランアレグリア)がGⅠ馬。同馬も今後の飛躍に期待がかかる。
世代レベルを疑問視されてきた現3歳世代だが、12月に入ってレイパパレ、スマイルカナ、そしてマルターズディオサと牝馬は重賞3勝目。来年に向けて希望が見えてきた。
インディチャンプは3着。通過順位は11-11で、2桁の通過順になるのは3歳春の毎日杯以来、およそ2年9か月ぶりのこと。結論から言えば千四のペースが忙しかった。とはいえ、最内をロスなく立ち回った勝ち馬とは対照的な競馬をしての3着確保。力は示した。
次走以降の穴候補として注目したいのが11着タマモメイトウ。これまで馬券になったのは全て1200m戦で、1400mは【0-0-0-5】だった馬。今回は決してベストと言えない距離、強力メンバーで、なおかつ外を回る競馬では大敗もやむなし。
ただ、前走のラピスラズリS8着は、直線で突き抜ける勢いから進路がなくなり急ブレーキをかけたもの。直線の不利と、不得意な距離でのGⅡ挑戦。この2度の大敗で見限られるようなら、オープン特別の1200mで面白い存在だ。

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