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【朝日杯FS】レッドベルオーブは中4週で疲労に注意 モントライゼは危険な人気馬

2020 12/16 06:00鈴木ショータ
レッドベルオーブに関するデータインフォグラフィックⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

レッドベルオーブは疲労に注意

12月20日に阪神競馬場で行われる朝日杯FS。このレースで人気になりそうな馬について注意すべき点を分析していく。

2走連続レコード勝ちで1番人気も予想されるレッドベルオーブ。 姉、兄にはレッドベルジュール、レッドベルディエス、レッドベルローズとおり、それぞれJRAで2~3勝を挙げている。それでいて、まだ大物が出ていない点がこの一族の短所を見抜くヒントにもなっている。

昨年のデビューから2連勝で新馬とデイリー杯2歳Sを勝ち、GⅠ朝日杯FSにも出走した全兄レッドベルジュールはわずか3戦をもって現役を引退。喉に異常が出て回復の兆しがないことから引退となった。体質の弱さがこの血統の特徴。それを馬券術として生かすなら「レース間隔」になる。

きょうだいのレース間隔別成績を調べると、中4週以内では【1・2・1・8】。一方、それ以外(初出走・中5週以上)では【9・2・4・8】と驚異的な強さを見せている。陣営は前走のデイリー杯2歳Sを勝った直後にも「疲労がたまっている感じがしたので…」とコメントしており、中4週の今回は万全の体調で出走できるかがポイントになりそうだ。

体質がネックになって出世が阻まれている血統だけに、レース前の陣営のコメントや最終追い切りには細心の注意を払って注目したい。

ステップレースに不満のモントライゼ

京王杯2歳Sの勝ち馬だが、今年はそのレースレベルに疑問が残る。走破時計の1分21秒8は過去10年で4番目。まずまずの時計に映るのだが、当日は例年より2秒ほど速い決着タイムが出ていた高速馬場。これを考えると少々物足りない。

また、レース上がり34秒7に関しては過去10年では最も遅いタイムとなっている。それだけラストに余裕がなかったと判断することができ、例年の京王杯2歳Sのレベルと比較しても今年は手薄なメンバーだった可能性が高い。

もともと、朝日杯FSでは京王杯2歳S組が過去10年で単勝回収率40%、複勝回収率74%と決して優秀とも言えない。今年は例年以上に評価は下げた方が良さそうだ。

ステラヴェローチェの母系

デビュー前から「バゴの代表産駒を狙っている」との意気込みが陣営から出ていた素質馬ステラヴェローチェ。バゴ産駒と言えば現役ではクロノジェネシスがいるが、それを踏まえての発言なのだから期待しないわけにはいかない。

叔父には朝日杯FSを勝ったゴスホークケンもいる血統で、早期完成がセールスポイントになっている。結論から言えば「どこで他馬の成長に追い抜かれるか」がポイントになる。近親の年齢別成績を調べると2歳時は【9・4・1・10】と凄まじいのに対し、3歳になると【3・0・6・46】と急激に低迷する傾向が出ている。2歳時の完成度が高い反面、成長力には乏しい一族なため、どこかでライバル馬の成長に屈してしまう時期が来るということだ。

今回はまだ2歳戦ということで現時点での完成度だけで突破できる可能性も高いが、例え朝日杯FSを勝ったとしても来年のクラシック戦線では過剰な人気馬になる可能性も秘めている。記憶の片隅に留めておきたい。

ライタープロフィール
鈴木ショータ
競馬伝道師。競馬エイトトラックマンを経てフリーに。オリジナルのweb競馬新聞「PDF新聞」を毎週発行。根っからの大穴党で、馬券格言は「人の行く裏に道あり”穴”の山」

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