阪神に移って7年目
2014年に中山から阪神に舞台を移した朝日杯FS。中山を舞台に行われたのは、1949年第1回(勝ち馬アヅマホマレ)から2013年第65回(勝ち馬アジアエクスプレス)まで。マイル戦になったのは、1962年第14回(勝ち馬グレートヨルカ)からで、第13回までは1200m戦だった。
野武士タケシバオーが勝ったのは1967年第19回、1976年第28回ではスーパーカー・マルゼンスキーが1分34秒4の大記録を樹立。その記録に並んだのは1989年第41回勝ち馬アイネスフウジン。翌年19万人が見守るなか日本ダービーを勝った。翌年リンドシェーバーが1分34秒0を叩き出し、マルゼンスキーのレースレコードを塗りかえた。はじめて1分33秒台を記録した栗毛の怪物グラスワンダーも今となっては懐かしい。
阪神に移って6年。コーナー2回の外回りマイル戦になったことで、総合力が問われるようになり、以前よりクラシック戦線につながるレースといわれるわけだが、昨年のサリオス(皐月賞、日本ダービー2着)を筆頭に牡馬クラシックでタイトルを獲得した馬はまだいない。その一方でNHKマイルC4勝(クラリティスカイ、ケイアイノーテック、アドマイヤマーズ、ラウダシオン)、桜花賞1勝(グランアレグリア)とマイル戦線を中心に翌年活躍する馬を多く輩出している。なおレース分析も阪神移行後の6年間のデータを使用する。
ホープフルSのGⅠ昇格によって西に舞台を移した2歳王者決定戦だが、東西別でみると美浦【3-1-2-16】、栗東【3-5-4-65】で出走を考えると東が優勢。今年の登録馬も美浦所属2頭に対し栗東所属16頭。少数精鋭の美浦所属馬を早々に見限らない方がいいだろう。
昨年のサリオス(出走時馬体重538キロ)は阪神移行後の最高馬体重タイ記録。急坂がある舞台ゆえなのか500キロ以上は【2-0-1-10】勝率15.4%、複勝率23.1%と好成績。2歳終わりに500キロを超える馬は多くはなく、見つけたら注目しておきたい。
登録馬で前走500キロ以上だったのはスーパーホープ、ステラヴェローチェの2頭だが、480~498キロ【2-2-3-18】も好成績。前走490キロ以上だった馬は多く、当日の馬体重は必ずチェックしたい。
種牡馬別成績を着度数別トップ5でみると、ディープインパクトが【3-0-1-3】勝率42.9%でトップ。1頭しかいなかった14年はそのダノンプラチナが1着。阪神マイルは元々得意条件(12/6までの過去10年で110勝、2位は31勝ダイワメジャー)だ。
今年はレッドベルオーブ、ロードマックスがスタンバイ。レッドベルオーブにデイリー杯2歳Sで敗れたホウオウアマゾンの父キングカメハメハ【1-1-0-2】が続く。新種牡馬ドゥラメンテ、モーリス、リオンディーズ、昨年新種牡馬キズナ、マジェスティックウォリアーなど新興勢力はどこまで迫るだろうか。