5つのデータから絞れた馬は?
先週の『阪神JF』では、ソダシの取捨を枠順に委ねた。3枠に入った時点で判断に迷ったが、追い切りの動きなどを見て本命に。対抗サトノレイナスとの馬連を本線で拾ったが、3着ユーバーレーベンを消していたため、不本意な結果となってしまった。
今週の対象レースは、2歳マイル王決定戦『朝日杯FS』。過去10年(※10~13年は中山競馬場で開催)のデータから複勝率10%未満の「凡走データ」を5つピックアップし、馬券対象から1頭でも多く“消去”して週末の予想に臨みたい。今年はどの馬が凡走する確率が高いのか、データで迫った。
『前走から距離延長』×『前走上がり4位以下』★0.0%★
まずは前走からの距離変動を取り上げる。前走マイルの同距離組は複勝率32.7%と圧倒的。短縮組の11.8%、延長組の11.7%と比較しても信頼度は高い。延長組に対象を絞って見ると、前走上がり3位以内の末脚を使った馬は【1-4-4-33】で、複勝率は21.4%。しかし、4位以下の上がりしか出していないと、【0-0-0-33】で、該当した33頭は全て馬券圏外に沈んでいた。
今年は、7頭が距離延長で臨むが、上位人気が予想されるモントライゼとピンクカメハメハがこれに該当。2頭とも1つ目のデータで消去する。
【今年の該当馬】
・ピンクカメハメハ
・モントライゼ
『前走馬体重460kg未満』×『母父がND系以外』★0.0%★
続いて前走の馬体重に注目した。460kg以上だった馬の【10-9-8-99】に対し、460kg未満は【0-1-2-34】と小柄な馬には厳しいレースである。ただし、馬格がない馬も、母の父がノーザンダンサー系なら、【0-1-2-7】で、複勝率は30.0%に達した。一方、母の父がノーザンダンサー系以外の場合は、【0-0-0-27】で、1頭も馬券に絡んでいない。
今年この条件に当てはまったのは3頭。いずれも穴人気を集めそうだが、迷わず消去したい。
【今年の該当馬】
・グレナディアガーズ
・ジュンブルースカイ
・ロードマックス
『前走初角2番手以内』×『非SS系』★4.2%★
3つ目も血統を絡めたデータを取り上げたい。前走で最初のコーナーを2番手以内で通過した馬は、過去10年【3-0-3-36】で、複勝率は14.3%とまずまず。これを血統で分けると、サンデーサイレンス(SS)系の産駒は【2-0-3-13】という好成績を残している。一方、SS系以外は、【1-0-0-23】。唯一の馬券圏内は、中山競馬場時代の2013年に本レースを制したアジアエクスプレスだった。
今年この条件に当てはまるのは消去済みを含めて5頭。前走のデイリー杯2歳Sでレッドベルオーブと大接戦を演じたホウオウアマゾンはこの条件に当てはまったため消去する。
【今年の該当馬】
・カイザーノヴァ
・(グレナディアガーズ)
・ブルースピリット
・ホウオウアマゾン
・マーチリリー
『前走3番人気以下』×『前走2着以下』★7.0%★
4つ目のデータは前走の人気と着順に着目。もちろん、前走でどのクラスを走っていたかは重要な要素だが、ここではあえて分けずに考える。まず前走人気が3番人気以下だった馬は、【2-5-4-87】で、複勝率は11.2%。ただし、その前走を勝っていれば、朝日杯FSでも【2-2-3-34】(複勝率17.1%)と悪くない。一方、その前走で負けていた場合は【0-3-1-53】(同7.0%)と信頼度は落ちる。
今年この条件に当てはまったのは、7頭いたが、このうち4頭は消去済み。新たにスーパーホープなど、3頭を無印としたい。
【今年の該当馬】
・(カイザーノヴァ)
・(ジュンブルースカイ)
・スーパーホープ
・バスラットレオン
・ビゾンテノブファロ
・(ピンクカメハメハ)
・(ロードマックス)
『前走1着』✕『今回8番人気以下』★4.0%★
最後は、あえて前走1着馬から消せる要素を探したい。4つのデータを終えて、登録18頭中6頭が残っているが、すべて前走を勝っての参戦だ。前走1着馬は過去10年で【10-5-8-61】と圧倒的。ただし、朝日杯FS当日の人気から消せるラインを引いた。1~7番人気に支持された馬は【10-5-6-21】で、複勝率はなんと50.0%。一方、8番人気以下だと、【0-0-2-40】で、複勝率は4.0%まで下がる。
残った6頭のうち8番人気以下になりそうなのは、テーオーダヴィンチとアスコルターレの2頭。他のショックアクション、ステラヴェローチェ、ドゥラモンド、レッドベルオーブは上位人気が濃厚。この4頭の中から、中間の状態などを見て本命馬を探したい。
【今年の該当候補】
・アスコルターレ
・ショックアクション
・ステラヴェローチェ
・テーオーダヴィンチ
・ドゥラモンド
・レッドベルオーブ
【ライタープロフィール】
八木 遊
野球兼競馬ライター。スポーツデータ会社やテレビ局の校閲職などを経てフリーに。競馬との出会いはメジロマックイーンが勝った1990年菊花賞。その後、オルフェーヴルに魅了され今に至る。思い出のレースはトウカイテイオーが勝った1993年有馬記念とウイニングチケットが勝った1993年日本ダービー。
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