クラブヘッドの根元に当たる
インパクトでボールがアイアンのクラブヘッドの根元に当たり、大きく右に飛んでしまうことをシャンクという。クラブヘッドのトゥに当たり、右に飛ぶのもシャンクだが、根元に当たることの方が多い。
シャンクのダメージは大きい。ダフリやトップであれば狙い通りの飛距離が出なくなるだけけで、大きなトラブルに直結することはあまりないが、シャンクは林の中など次のショットが打ちにくいところにボールが飛ぶ可能性があり、最悪OBになる。トラブルや大たたきに直結するミスなのだ。
プロでもシャンクになることはある。6月17日から19日に開催されたニチレイレディスで、最終日優勝争いをリードしていた森田遥が、佳境に入った15番ホールの2打目でシャンクをした。ボールは右の林の中。3打目はピン方向が開けておりボギーでしのいだものの、バーディーを奪った西村優菜に逆転された。
シャンクが出る理由と修正法
シャンクが出る理由としては二つ考えられる。インパクトで手が体から離れることと、スイング中につま先側重心になることだ。
インパクトで手が体から離れることについてだが、これは2パターンある。1つ目が、ダウンスイングで前方に離れた手をインパクトで近づけきれなかったパターン(過度なアウトサイドイン)。そして2つ目が、インパクトに向かって手が離れていくパターン(過度なインサイドアウト)だ。
両方とも、腕とクラブを一体化させようと肘や手首を固めすぎてしまい、腕とクラブが一本の硬い棒のような状態になってしまっていることが考えられる。一本の硬い棒を振ってクラブを走らせようとするのではなく、肘や手首は固めず柔らかく使い、スムーズな左右の手の入れ替えでクラブヘッドを走らせるイメージを持つことでシャンクの確率を下げやすくなる。
続いてスイング中、体がつま先側重心になることについて。これはボールに対する意識が強すぎることが考えられる。例えば、集中してものを見ている時、無意識に前のめりになることはないだろうか。スイング中のボールに対する意識がこの例のように集中している状態に近づくと、つま先側重心になってしまう。
過度なつま先側重心を回避するためには、ボールを強く見過ぎないことはもちろん、ボールから遠ざかるイメージを持ちたい。重心がつま先側にもっともズレやすい切り返し前後にボールから遠ざかるイメージを持つのだ。こうすることで結果的にボールと体の距離は保たれ、シャンクを回避しやすくなる。
シャンクが出る場合、まずまずのショットの時でもヒール寄り(根元寄り)に当たる傾向にあることが多い。ヒール寄りの打点はシャンクと隣り合わせだ。フェースに貼ることで打点がわかるショットマーカーを使うなどして傾向を把握し、ヒール寄り傾向の場合は、左右の手の入れ替えやつま先側重心などにも目を向けながら、打点がフェースセンターになるようにしておきたい。
アイアンの練習を中心にする
根元のシャンクはアイアンしか出ない。よってシャンクが出やすいゴルファーは、アイアンよりもウッド系のクラブの使用頻度が高まりやすい。ウッド系の根元はアイアンのようにえぐれておらず、フェース面になっているため、シャンクが出ないからだ。
だが、ウッド系に頼り過ぎないようにしたい。「シャンクが出ずに確実にある程度前に進める」という理由だけでウッド系に頼ることは、アイアンでシャンクするスイングを固めることにつながる。手が体から離れたり、過度なつま先側重心を改善することが難しくなるのだ。
練習でアイアンの精度を上げながら、コースラウンドではアイアンを使うべき状況ではアイアンを使う。ウッド系よりもアイアンをベースにスイングやゴルフをとらえていくことが、シャンク撲滅だけでなく、ウッド系の上達にもつながりやすいだろう。
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