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今季好調の青木瀬令奈のストロークと取り組みに学ぶ、パット数を減らす方法

2022 7/17 06:00akira yasu
資生堂レディスで優勝した青木瀬令奈
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Ⓒゲッティイメージズ

青木瀬令奈の好調を支えるパット

6月30日から7月3日に開催された資生堂レディスオープンで、青木瀬令奈が通算3勝目を挙げた。現時点で賞金ランキングが6位(7月10日時点)で、21位で過去最高の賞金ランキングだった昨季の飛躍を凌駕する好成績を出している。

青木には飛距離のハンデがあり、アイアンは8番アイアンからになることもあるぐらい、フェアウェイウッドとユーティリティーを駆使してコースを攻める。ただ、いくらウッド系の技術が高くても、二打目以降距離が残るほど、ピンを狙いにくく、グリーンに乗せることが難しくなる。青木のパーオン率は78位だ。

ではなぜ、青木がこれほどの好成績を挙げることができるようになったのか。それはパットの向上にある。

平均パット数2位

パーオンホールの平均パット数(1.7520)も、1ラウンドあたりの平均パット数(27.7931)も現時点で2位。パーオン率が高くない青木の場合、グリーンに乗せるショットはグリーンの近くから打つ場合が多くなるため、1ラウンドあたりの平均パット数が上位に入ることには驚かない。

だが、パーオン率が低いということは、パーオンしたホールのファーストパットは他の選手よりも長くなることが多いはず。それにもかかわらず、パーオンホールの平均パット数でも2位に入っていることは特筆すべきポイントだ。

速めのテンポでリズミカル

資生堂レディスで青木とともに最終日に最終組でプレーした吉田優利は、普段から青木のパッティングストロークの真似をすることもあるぐらい参考にしているようだ。

青木がプロ仲間から一目置かれる理由の一つが、ストロークのテンポ。ヘッドの軌道やフェースの向きを確認しながら上げているかのようにゆったりしたストロークをする選手もいる中で、青木のストロークテンポは速めだ。

これは、パットのスタッツ上位の選手によく見られる特徴で、日本ツアーだけでなく世界の男女のツアーでもそのような傾向がある。高速グリーンであっても丁寧になり過ぎることなく、“ただ打つだけ”といった感じでサラッとストロークするパットの名手は多い。

練習と本戦でパターを変える

青木は今季毎試合同じパターを使用しているが、練習ラウンドではパターを変えているようだ。理由は「感覚をリセットするため」。これにより、練習ラウンドから本戦にかけて感覚がズレたままにしないことに成功している。

グリーンコンディションは毎日微妙に変化するもので、自身のパットの感覚も毎日同じとはいかない。そんな中、本戦で練習ラウンドまでのイメージが残っていては、それが邪魔になる場合がある。

「練習ラウンドでタッチが合わなかった」といったネガティブなものだけではない。「練習ラウンドでタッチが合っていた」というポジティブなものでも、練習ラウンド時と異なるグリーンコンディションやパットの感覚では、残っているイメージがマイナスに作用する場合があるのだ。

「パターを買い換えて最初のラウンドはパットが絶好調」といった経験をしたことがあるゴルファーは少なくないはずだ。その理由として、一時的に感覚のズレが補正されることが挙げられる。

パターはそれぞれに特徴があり、1つのパターを使っていると、そのパターの特性が表れたストロークになるという側面がある。これまで使っていたパターには無い特性の新しいパターを使い始めた場合、パットのタッチが合うようになることがあるのだ。ただ、それを使い続けていると新たなズレが生じてくることもあり、そうなると、またタッチが合わなくなる。

感覚やメンタルをフラットな状態にしておくことは、パフォーマンスを引き出すために大きな力となる。青木は、自分自身の力でより良い状態にしようとするだけでなく、環境(使用クラブ)をその時の状態に合わせて調整することで、感覚がズレる度合いを最小限にとどめているのだ。

一般のゴルファーは、コレと決めたエースパターを使い続けることが多いだろう。だが、青木のスタイルを真似することを検討してみてはどうだろうか。より気軽にプレーできるプライベートラウンドはサブのパターを使い、コンペなどよりスコアを出したい重要なラウンドではエースパターを使う。こういった感じで使い分けてみると、新たな発見があるかもしれない。

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