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左足下がりの傾斜地からのショットで注意するべきポイント【ゴルフハウツー】

2022 5/16 06:00akira yasu
イメージ画像,ⒸOlena Yakobchuk/Shutterstock.com
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ⒸOlena Yakobchuk/Shutterstock.com

コースラウンドでは80%以上が傾斜地

コースラウンドでは完全にフラットなところからショットすることは少ない。80%以上の確率で平均斜度5度以上の地点からのショットになる、という研究結果も発表されていたりする。

傾斜地は大きく分けて4種類ある。「左足上がり」「左足下がり」「つま先上がり「つま先下がり」だ。この中で多くのゴルファーが苦手としているのが左足下がり。ボールの手前(右側)の地面が高くなるため、ダフリやすい。それを嫌がりすぎると、今度はトップになってしまう。では、左足下がりで正確にボールをヒットするためのポイントとしてどのようなものが挙げられるのだろうか。

フィニッシュをコンパクトにする

左足下がりはボールが上がりにくい。正確にヒットするためには、水平ラインに対して、フラットな地点よりもロフトを立ててダウンブローにインパクトする必要があるため、打ち出し角が低くなる。

そのような特徴がある左足下がりからのショットでは、下から上にあおるようなスイングや、手首をこねる動きは大きなミスにつながる。フラットや左足上がりでは、ある程度ボールをヒットできるスイングエラーでも、左足下がりではミスとして結果に表れやすくなる。

左足下がりではフィニッシュをコンパクトにすることで、最も避けたいスイングエラーを回避しやすくなる。高く上に振りぬかないことで、下方向に力をかけ続けやすくなり、傾斜に合ったダウンブローのヘッド軌道でロフトが立つスイングがしやすくなるのだ。

西郷真央が傾斜地からチップインイーグル

4西郷真央は今季これまで8戦4勝(5月8日時点)で、トップ10が7回。圧倒的な強さを発揮している。

4月29日から5月1日に開催されたパナソニックオープンレディースでも、パーオン率2位、ボールストライキング(※)1位のショットの精度を見せつけた。最終日15番ホールパー4でチップインイーグル。この時の第2打目は左足下がりでつま先下がりだったが、6番アイアンで通常よりもコンパクトなフィニッシュのスイングをして、難しいライに対応し、優勝を手繰り寄せた。

※トータルドライビング順位とパーオン率順位を合算した値。総合的なショットのレベルを示すもの。

右に飛びやすい

ダウンブローの度合いを強めるということは、通常スイングにアウトサイドインの要素が加わりやすくなる。例えば、通常スイングが強めのインサイドアウトの場合、左足下がりでは弱めのインサイドアウトになりやすく、通常スイングがインサイドイン(スクエア軌道)の場合、左足下がりではアウトサイドインになりやすい。

また、左に体重が乗りやすくなるため、スイング軸が左にズレやすい。そうなると、通常スイングよりもヘッドが遅れるため、インパクトでフェースが開きやすくなる。

左足下がりでは、アウトサイドインかつフェースオープン傾向になる。ボールが右に飛びやすくなるため、狙いよりも左を向いてショットすると良いだろう。

ただ、ダウンスイングで無理にダウンブローの度合いを強めるのは良くない。リズムやテンポが乱れ、ミスヒットしやすくなる。ボールに当てることができたとしても、右に曲がる度合いが強まったり、逆にフェースがかぶって左に飛んでしまったりする。

フィニッシュをコンパクトにするという方法であれば、リズムやテンポを乱さずに、自然な流れでダウンブローの度合いを強められるだろう。

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