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バンカーショットの距離感の合わせ方 脱出だけでなくピンに寄せるためのポイントとは【ゴルフハウツー】

2022 4/23 06:00akira yasu
イメージ画像,ⒸLuca Santilli/Shutterstock.com
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ⒸLuca Santilli/Shutterstock.com

距離感の合わせ方

グリーンサイドバンカーから脱出するだけでなくピンまで距離感を合わせるためには、まずピンまでの距離、バンカーのアゴの高さや砂質、グリーンの速さや傾斜、などをインプットする。そして、それらを総合的にふまえて、どの程度のキャリー距離と高さを出すか、スピンを効かせるのか、どの程度転がるのか、などといったもののイメージを膨らませていく。

ボールの飛びと転がりはスイングの大きさや速さ、フェースを開く度合いや砂の取り方によって変わるので、イメージしたキャリー距離や高さなどに合うクラブのセットの仕方やスイングを定めていく。

フェースの向き

インパクトでフェースが開く度合いが大きいほど、ボールは高く上がりやすく距離が出にくくなる。よって、アゴが高い場合やグリーンが下り傾斜の場合は、アドレス時にフェースの開くことでピンに寄せやすくなる。

グリーンサイドバンカーからは、芝からのショットに比べてフェースを開いて使うことが多くなるが、注意が必要だ。

フェースを開く際、バウンス(クラブヘッドの底面の丸み)の大きさが影響して、バンカーの砂質が固いと、クラブヘッドが砂にはねかえされてしまうことがある。そうなってしまうとトップしてアゴを越えないか、越えたとしてもホームラン(飛びすぎ)になってしまう。

また、フェースを開くことでボールが飛ばなくなるため、そのぶん大きくスイングすることになる。そうなると、トップした場合に大ホームランになってしまう。フェースを開く場合は、より確実にボールの手前の砂を打たなければいけない。

取る砂の量

クラブヘッドを深く入れ、砂を多く取るほどボールのキャリー距離が出なくなる。それは、クラブが砂の抵抗を大きく受けるからだ。また、キャリーしてからはボールが転がりやすくなる。これは、インパクトでフェースとボールの間に砂が多くはさまる分、ボールとフェースの摩擦が生じないからだ。

逆にクラブヘッドを浅く入れ砂を少なく取ると、キャリー距離が出てスピンが効く。クラブヘッドが受ける砂の抵抗が小さく、フェースとボールの間にはさまる砂が少ないからだ。プロのツアー中継で、ボールがグリーンにキャリーしてから急ブレーキがかかったようにスピンが効いているバンカーショットを見ることがあるが、これはクラブヘッドを浅く入れ砂を少なく取っているショットだ。

マスターズでマキロイとモリカワがダブルチップイン

今季米ツアー初優勝から約一か月半の間に計3勝を挙げ、世界ランキング1位にまで上りつめたスコッティ・シェフラー。そのシェフラーの優勝で幕を閉じたマスターズの最終日、18番ホールでミラクルが起きた。

同じ組で回っていたメジャー4勝のロリー・マキロイとメジャー2勝のコリン・モリカワが、共に同じグリーン右サイドのバンカーからチップインバーディーを決めたのだ。両者はハイタッチで称えあい、観客のボルテージも最高潮となり、祭典の最終日に最高のシーンを創り出した。

二人とも同じバンカーからのショットではあったが、バンカー内の奥と手前で位置が違っていた。カップに対しても狙う角度が違っていたし、おそらくボールのライ(左足下がりや上がりなど)も違っていたので、同じチップインでも異なる転がり方だった。

バンカー奥からのマキロイはスピンを効かせながらグリーンの傾斜を使い、ジャストタッチでカップイン。一方、バンカー手前からの転がりが多いショットを打ったモリカワのボールは、勢いよくカップに吸い込まれた。

バンカーショットが得意になるとロングショットに好影響

米ツアー公式データとして採用されているSG(ストロークゲインド)指標の生みの親であるマーク・ブローディ氏が公開しているデータによると、グリーンサイドバンカーからのショットでは、平均スコア100のゴルファーはトッププロの約5倍の距離を残していることが分かる。

例えば、ピンまで20ヤードのバンカーショットでは、トッププロが6フィート(約2メートル)に寄せているのに対して、平均スコア100ゴルファーは29フィート(約9メートル)残している。

さらに、トッププロと平均スコア100ゴルファーとで芝の上からのショットの精度の差を比べると、バンカーショットの精度の差が大きい。トッププロはバンカーからと芝からのショットで残る距離に大きな差は無いが、平均スコア100ゴルファーは芝からのショットの約2倍の距離を残している。

プロとアマ、バンカーと芝からのショットにおける残り距離平均(フィート),ⒸSPAIA


この芝からとグリーンサイドバンカーからの差は、ゴルフ練習の内のバンカー練習の割合の差が影響しているのではないだろうか。プロはバンカー練習の割合が多く、一般ゴルファーはバンカー練習の割合が少ないと思われる。

バンカー練習場があるコースへ行った時は、バンカー練習をしよう。ボールを打たなくても、砂を打つだけでも良いだろう。フェースの向きや砂を取る量や取り方次第で、打った時に手や体に伝わる砂の抵抗などの感覚が異なる。その感覚をより体に馴染ませるほど、バンカーショットのイメージ力が強化され、距離感を合わせやすくなる。

バンカーショットに自信を持つことができると、ロングショットにも好影響の期待ができる。「バンカーに入ってもリカバリーできる」と思え、リラックスしてショットできるからだ。

基本的に、グリーンサイドバンカーからのショットはサンドウェッジ(ロフト角が最も大きいクラブ)で打つ。だが、アゴが低くてピンまで距離がある(グリーンまで少し遠い)場合などは、アプローチウェッジやピッチングウェッジを選択肢に加えてみても良いだろう。

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