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1パットの確率を上げるために必要なこと【ゴルフハウツー】

2022 5/18 06:00akira yasu
女子プロゴルファのー渋野日向子,Ⓒゲッティイメージズ
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Ⓒゲッティイメージズ

パットの重要性

入りそうな距離でも簡単ではないのがパット。好スコアを目指すにあたり、パットが足を引っ張ってしまうゴルファーも少なくない。

入れごろ外しごろの距離やミドルパットを1パットでカップインできると、スコアメイクに余裕ができるだろう。さらに、次のホールのティーショットを良い精神状態で臨みやすくなるという好循環が生まれる。

また、パットに自信が持てるとアプローチにも良い影響が出る。グリーンまわりからのアプローチで無理にピンに近づけようと意気込まず、リラックスできるのだ。結果、寄せワンの確率が高まりやすくなる。

完璧なインパクトを求めない

1パットでカップインするには、狙い通りに打ち出す必要がある。しかし、ストレートなヘッド軌道や完璧なスクエアフェースのインパクトを求めすぎてはいけない。ヘッド軌道やフェース向きをコントロールし過ぎると、逆にクラブの動きが乱れやすくなるからだ。

方向に関しては“アドレスでフェースを打ち出したい方向に向けたらそれで終わり”といった感じで良いだろう。優先するべきは“ストローク中のクラブの位置や向きをコントロールすることではなく、距離感をどう出すか”だ。

距離感のポイントはリズムやテンポ。一定のリズムとテンポが、結果的にスムーズなヘッドの動きやフェース向き、打ち出し方向の安定につながる。

アメリカ特有の芝に苦戦してる渋野日向子

今季が米ツアールーキーイヤーとなる渋野日向子は安定したプレーを続けていたが、7戦目のパロスバーデス選手権で初めて予選落ちを喫した。その原因の一つがパットだった。会場となった地域特有の不規則に転がるポアナ芝のグリーンに対応しきれず、うまくいかないことが正確なインパクトを求め過ぎることにつながり、結果ストロークにスムーズさを欠いていたようだ。

今回だけが特別悪かったわけではない。改造したスイングが体に馴染んだことによる高いショットの精度と成長したアプローチによって、6戦目まですべて予選通過しトップ10に3度入る活躍を見せていたが、パットの成績は良くなかった。

7戦トータルでの結果はパーオンホールの平均パット数が1.79で46位、1ラウンドあたりの平均パット数が30.12で95位、パットでどれだけスコアを稼いだかを示すストローク・ゲインド・パッティングが-0.910で136位となっている。

渋野といえば豪快なショットというイメージが強いかもしれないが、ショットと同じかそれ以上にパットが原動力だった。全英女子オープンで優勝し、日本ツアーで4勝を挙げ賞金女王争いを繰り広げた2019年は、パーオンホールの平均パット数が1.7582で2位、1ラウンドあたりの平均パット数が29.1144で5位、となっている。

ツアーに参戦している選手のレベルが日本よりも高いため順位の比較ではグリーンの難しさをはかることはできないが、パット数自体も悪くなっているということは日本とは異なるグリーンの質に戸惑っていることがうかがえる。これから全英女子オープンのウィ二ングパットのような、渋野らしい強気のパットが増えてくることを期待したい。

渋野日向子 2019~2022(5月8日時点)パットのデータ,ⒸSPAIA


ショートパットも距離感を優先

メジャー3勝のパットの名手、ジョーダン・スピースは「パッティングで一番大事にしているのはスピードだ」と言う。カップインするためには狙い通りの方向に打つこと以上に、イメージ通りのボール初速になるように打つことを重要視しているのだ。

グリーンの傾斜やボールが転がるラインを正確に読めても、打ち出し方向がずれてしまうとカップインしない。しかし過度な打ち出し方向に対する意識は逆にクラブの挙動の乱れにつながり、結果、狙った方向に打ち出しにくくなる。

また、狙った方向に打ち出せても距離感が合っていなければ、カップインの確率は高まらない。距離感が合ってはじめて正確な打ち出し方向が活き、距離感を優先した方がスムーズなストロークになることでヘッド軌道やフェースの向きが安定するため、狙った方向に打ち出しやすくなる。

カップに入れたいという気持ちを鎮め、アドレスでフェースの向きを決めたら距離感のイメージに浸る。それがカップインの確率を上げるための大きなポイントになるだろう。

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