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ショット方向の精度向上へ フェードボールの優位性と注意点【ゴルフハウツー】

2021 4/20 11:30akira yasu
イメージ画像ⒸEpicStockMedia/Shutterstock.com
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持ち球を持つことの意味

ドローボールとフェードボール、ショットには大きく分けてこの2つの弾道がある。ストレートボールについては、どこまでをストレートと言うかが難しい。サイドスピン(もしくはスピン軸の傾き)が0のショットという意味では、”ほぼ無い”ショットと言える。

ゴルフではドローとフェード、どちらかに「持ち球」を設定するとよい。自信を持って打てる球筋のショットがあると、リスクを回避しながらコースマネージメントをしやすくなるからだ。コースレイアウトやライに応じて、自在に弾道を打ち分けられるツアー選手にも持ち球はある。

昔はフェードよりもドローボールを打つべきという風潮だったが、ギアの進化などが影響して、これまでに比べてフェードボールが認められるようになってきた。そこで、今回はフェードボールの優位性と、習得を目指すうえでの注意点について解説する。

稲見萌寧の持ち球はフェード

渋野日向子ら黄金世代の1学年下の稲見萌寧が、ヤマハレディースオープン葛城(4月1日から開催)と富士フィルム・スタジオアリス女子オープン(4月9日から開催)で連勝した。2021年は7戦3勝と絶好調だ。

稲見はフェードボールを持ち球にしており、ショットの精度が高い。2019年はパーオン率が1位でトータルドライビングが14位。2020-2021シーズンはパーオン率が3位で、トータルドライビングも2位につけている。

師事している奥嶋誠昭(オクシマトモアキ)コーチのYouTube チャンネルに、稲見が登場した際は「ドローボールを持ち球にしようとした時期もあったけど、曲がり幅が大きくなり過ぎると感じたので、結局フェードボールにした」と話していた。

4月18日時点の稲見萌寧パーオン率とトータルドライビングⒸSPAIA


スピン量増と曲がり幅のコントロールがしやすいフェード

フェードはドローよりも飛距離を出しにくい。ドローを打つ際は、インサイドアウトのヘッド軌道でスイングする。そのため、アッパーブローになりやすく、飛距離が出る打ち出し角とスピン量を得やすいのだ。

対して、フェードはアウトサイドインでスイングするため、ヘッドの入射角がダウンブローになりやすい。ダウンブローの度合いが強まるほど、適正な打ち出し角とスピン量の両立が難しくなる。

だが、フェードにも利点はある。ドローはクラブフェースの開閉を大きく使うことになりやすいのに対し、フェードはあまり使わなくて済むため、方向を安定させやすくなるのだ。また、ダウンブローに打ちやすいフェードはスピン量が増えやすい。スピン量増は飛距離減につながるポイントだが、グリーンを狙うショットの場合は、グリーン上でボールを止めやすくなる。

「ショット方向を安定させやすい」「グリーンを狙うショットでスピンを利かせてボールを止めやすい」この2つがフェードボールの利点と言えるだろう。

ドローを打てる上でのフェードを目指す

ただし、フェードを持ち球にする場合、ドローを打てる上でのフェード選択としたい。フェード(スライス)しか打てないにもかかわらず、持ち球にしようとすると、飛距離ロスの度合いが大きくなりやすい。また、右に曲がりすぎることが増え、方向を安定させやすいという利点を生かせなくなるからだ。

フェードのように右に曲がる弾道を「球を逃がす」、ドローのように左に曲がる弾道を「球をつかまえる」と言う。どういう弾道を目指すにしても「球をつかまえる」ことをベースにする必要がある。方向の精度向上のために、「つかまったフェードボール」の習得を目指してみてはどうだろうか。

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