果敢にチャレンジ
距離が短いホールは狭いことも多い。このようなホールのティーショットでドライバーを選択すると、飛距離は出るが曲がりやすいため、OBなどのリスクが高い。しかし、その狭い幅に上手く打つことができれば、第2打の距離が短くなるため、グリーンオンの確率が高まる。
3月19日から21日に鹿児島高牧カントリークラブで『Tポイント×ENEOSゴルフトーナメント』が開催されていた。ここで優勝した小祝さくらが最終日で勢いづいたのが、300ヤードほどの短いパー4の15番ホールだった。
このホールは打ち下ろしとなっており、ティーショットをドライバーで打てば、女子選手でもグリーン周辺まで運ぶことが可能だ。だが、第2打地点からグリーン右手前まで食い込むように池がある。そのため、多くの選手はティーショットをアイアンで刻み、2打目での勝負を選択していた。
ところが、小祝はドライバーを選択し、見事グリーン右横まで運んだ。そこからのアプローチでピタリとピンに寄せ、難なくバーディーを獲得し、優勝を手繰り寄せた。
小祝のように、狭いホールでプレッシャーに打ち勝ち、ドライバーで狭い幅に打ち切るために必要なことは何だろうか。2つのポイントについて解説する。
プリショットルーティーンの徹底
プレッシャーが高まるとリズムやテンポが乱れやすい。綺麗な良いスイングを身につけていたとしても、リズムやテンポが乱れてしまっては、イメージ通りの方向にボールを飛ばす確率は低くなる。
その対策として有効なのが、プリショットルーティーンの徹底だ。プリショットルーティーンとは、飛球線後方からターゲットを確認して、アドレスのセットアップが完了するまでの一連の流れのこと。
いつも以上に丁寧にアドレスを決めようと時間をかけ過ぎたり、不安からターゲット方向を見る回数が増えてしまったりと、落ち着きなくセットアップしていては、リズムやテンポが乱れやすくなる。いつもと同じ流れで、セットアップを完了させるように心がけたい。
今までプリショットルーティーンを考えたことがないゴルファーは、まずルーティーンを決めることから始めるとよいだろう。
アライメントを一定にする
コースラウンドでは、目標に向かってイメージ通りのアライメント(体の向き)をとることが難しい。アライメントがとれないと、再現性の高いショットを打つのも難しくなる。そうなると、狭いホールのティーショットでドライバーを選択すること自体、”一か八かの賭け”になってしまう。
アライメントは、肩や足のラインなどが「まっすぐ」「右向き」「左向き」といった左右だけでなく、「下向き」「上向き」といった上下の問題もある。打ち下ろしでは肩のラインが下向きになりやすく、打ち上げでは上向きになりやすい。
このようにアライメントが変わってしまっては、スイングが変わり、ショットが変わってしまう。ホールの高低差に惑わされず、平地と同じアライメントになるよう目線に気を付けるなどといった工夫が必要だ。
刻む場合でも大切
今回挙げたポイントは、ティーショットをアイアンなどで打って刻む場合にも心がけたい。パー3の場合を除き、多くのゴルファーはティーショットをドライバー以外で打つのに慣れていないため、プレッシャーがかかるからだ。
基本的に、同じアドレスでリズムやテンポも同じであれば、同じようなショットになりやすい。まっすぐ飛ぶ傾向の時はまっすぐ飛び、スライスする傾向の時はスライスになる。傾向通りにショットすることができれば、狭いホールでも強気に攻めることができるだろう。
冒頭で紹介した『Tポイント×ENEOS』最終日の15番ホールでの小祝も、いつも通りにアドレスしてスイングしていた。
プレッシャーがかかる狭いホールのティーショットでも、プリショットルーティーンを徹底し、アライメントを一定にするよう心がけて欲しい。そうすれば、良いスコアで上がるチャンスが大きくなるはずだ。
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