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渋野日向子がオリンピック日本代表入りするためのポイント

2020 6/20 06:00akira yasu
渋野日向子Ⓒゲッティイメージズ
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Ⓒゲッティイメージズ

開幕戦はアース・モンダミンカップに決定

いよいよ6月25日から、千葉県のカメリアヒルズカントリークラブでアース・モンダミンカップが開幕する。無観客で中継はインターネットのライブ配信という、これまでにないスタイルで行われる。

女子選手の中でまず注目したいのは、渋野日向子だ。2020と21年が統合され開幕するにあたり、目標は東京オリンピック日本代表入りだと語っている。

オリンピック出場資格

各国の代表は、2021年6月28日時点での世界ランキング(以下WR)をベースにしたオリンピックゴルフランキングで決まる。

オリンピックゴルフランキング15位までの選手で最大4名、16位以下については2名まで。2020年3月16日時点で渋野はWR12位。他の日本人選手が5人以上15位までに入る可能性は低いため、代表が決定するおよそ1年後に15位以内であれば、代表に入る可能性は高い。

オリンピック日本代表候補上位者ⒸSPAIA

スイング改造

シーズンオフの間、基礎固めのアプローチに多くの時間を割きながらスイング改造に着手していた渋野。それはインスタグラムを見ると分かる。3月4日の練習場でのスイング動画を見ると、昨季に比べてインパクトで右足かかとが上がらなくなっている。

これは、インパクト時の上体の右への傾きを抑制するなど、スイング軸の安定を狙ったもの。この改造がどういう結果に繋がるのかが重要だ。

昨季の渋野は、ドライビングディスタンスとフェアウェイキープ率を合算したトータルドライビングは4位だったが、パーオン率は24位。新しいスイングが体に馴染み効果を発揮すれば、パーオン率が向上し、日本ツアーで昨季以上の活躍が期待できる。そうなればWR15位以内が盤石なものになる。

昨季ツアーで初優勝したワールドレディスチャンピオンシップの時も、スイング改造に取り組んでいた。周囲が「こんなに早く結果が出るとは」と、驚いたようだ。今回のニュースイングも、持ち前の吸収力で自分のものにしているのではないだろうか。

ライバルたちの存在

世界ランキング15位以内に入ることができなければ、他の日本人選手と2つの枠を争わなければいけない。仮に畑岡奈紗の代表入りがほぼ確実となった場合、残る1つの枠を他の日本人選手と争うことになる。

ライバルの筆頭は鈴木愛だが、他にも強力な選手はいる。黄金世代と言われる渋野らの1学年下、抜群のアイアンの切れを武器に昨季パーオン率1位となった稲見萌寧や、日本代表入りするためにWRに反映されるポイントが高い米ツアーに、今季から挑戦している河本結だ。

また、オリンピックの1年延期が影響し、今季プロデビューするミレニアム世代の選手たちもWR日本人選手2位に入るチャンスが広がった。アマチュアでツアー優勝を果たした古江彩佳やプロツアーで実績がある安田祐香も、渋野のライバルになる。

スタートダッシュなるか

今季は来季の米ツアー予選会に挑戦し、来季から米ツアー参戦という計画を立てていた。しかし、予選会の中止により計画を変更。だが、オリンピック日本代表入りが目標であることに変わりはない。

昨季のアース・モンダミンカップも同じカメリアヒルズカントリークラブで開催され、4位だった渋野。これではずみがついたのか、翌週の資生堂アネッサレディスでは優勝している。これを好相性とし、今季のスタートダッシュを成功させ代表入りに向け突き進んでほしい。

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