黄金世代を追いかけるミレニアム世代
昨季の日本女子ゴルフ界は1998年4月から1999年3月生まれの黄金世代の活躍が目覚ましかった。畑岡奈紗や渋野日向子だけでなく、勝みなみや原英莉花、小祝さくらなど、黄金世代だけで10勝を挙げた。そして今季、昨季の黄金世代に負けない活躍が期待されているのが、2学年下に当たるミレニアム世代だ。その中でも古江彩佳、安田祐香、吉田優利の3人には特に注目したい。
昨季の日本女子ゴルフ界は1998年4月から1999年3月生まれの黄金世代の活躍が目覚ましかった。畑岡奈紗や渋野日向子だけでなく、勝みなみや原英莉花、小祝さくらなど、黄金世代だけで10勝を挙げた。そして今季、昨季の黄金世代に負けない活躍が期待されているのが、2学年下に当たるミレニアム世代だ。その中でも古江彩佳、安田祐香、吉田優利の3人には特に注目したい。
古江彩佳は昨季の富士通レディースでアマチュア優勝を果たし、プロ宣言が可能になると、三菱電機レディスでミレニアム世代初のプロデビュー。昨季はプロとして4試合に出場し、デビュー戦は予選落ちだったが、ラスト2戦は優勝争いに加わるなど、今季の活躍を期待させる戦いぶりだった。
古江の武器は精度の高いショットだ。日本女子ツアーの規定ラウンド数に達していないためスタッツはランキングの対象外だが、フェアウェイキープ率は80.22%。昨季1位の酒井美紀の79.36%を上回る。パーオン率は78.63%でこちらも昨季1位の稲見萌寧の78.21%よりも上だ。
賞金女王を目標に掲げているようだが、富士通レディースやプロデビュー後のショットの安定感があれば、今季いきなり達成することも不可能ではない。
初優勝は古江に先を越されたものの、ミレニアム世代のエースとして期待されているのが、安田祐香だ。日本女子ツアーでも優勝争いに顔をのぞかせるなど実力もあり、安定感も抜群だ。昨季参戦した日本女子ツアー9戦すべてで予選を突破し、ニトリレディスでは優勝を争った。
9戦の平均ストロークは71.3781。これは日本女子ツアー17位に相当する。シーズンフル参戦しても平均ストローク17位を維持できれば優勝は射程圏内だ。
2017年から昨季までの日本女子ツアー全20戦で予選落ちは1回。2017年から2018年にかけては10戦連続予選通過というアマチュア最多記録にも並んだ。
日本女子アマ優勝やアジアパシフィック女子アマチュア優勝、オーガスタナショナル女子アマチュア3位タイなど、アマチュア大会の実績も申し分ない。ミレニアム世代の中で最も経験と実績を積み重ねてきた選手といえるだろう。
2016年後期からナショナルチームに選抜されている吉田優利は、2018年に日本女子アマと日本ジュニアをダブルで制した。同一年度の2冠達成は2003年の宮里藍以来となる快挙だ。
昨季、出場した日本女子ツアー4戦のうち予選通過は2戦のみ。しかし、予選通過した5月のワールドレディスサロンパスカップでは、3日目を終えて3位になり優勝争いに食い込んだ。最終日は同大会でツアー初優勝を挙げることになる渋野、8月のmeijiカップで初優勝を挙げるぺ・ソンウと最終組になり、4位タイの結果で終えた。
昨季は古江や安田ほどのインパクトをツアーで与えることはできなかったが、ツアーで戦える実力があることを示せたのではないだろうか。
吉田は上田桃子や小祝などの多くのプロゴルファーを指導している辻村明志コーチに師事している。同門の先輩達と一緒に練習する機会も多いだろう。さらなる成長を期待したい。
この他にもミレニアム世代には、西村優菜、渋沢莉絵留や、TP単年登録を得た後藤未有など活躍が楽しみな選手が多い。
昨季の黄金世代の活躍はミレニアム世代にとっても大きな刺激となっただろう。そして今度はミレニアム世代が黄金世代やベテラン勢に刺激を与え、日本女子ツアーのレベルが向上する好循環につながってほしい。
コロナウィルス感染拡大によって2020年の開幕の見通しが立っていない日本女子ツアーではあるが、開幕の暁にはミレニアム世代の面々が女子プロゴルフ界に新鮮な風を吹き込んでくれることを楽しみにしたい。