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右足首負傷の羽生結弦、逆境の強さは五輪2連覇で証明済み

2021 11/6 06:00田村崇仁
羽生結弦,Ⓒゲッティイメージズ
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Ⓒゲッティイメージズ

今季初戦のNHK杯欠場、GPファイナルも絶望的

北京冬季五輪開幕まで3カ月の11月4日、ショッキングなニュースが流れた。フィギュアスケート男子のエース羽生結弦(26)=ANA=が右足関節靱帯損傷と診断され、94年ぶりの3連覇が懸かる北京五輪のシーズン初戦として予定したグランプリ(GP)シリーズ第4戦のNHK杯(11月12、13日・東京)を欠場すると発表された。

古傷でもある右足首の怪我の程度や全治は明らかにされておらず、GP第6戦のロシア杯(11月26、27日・ソチ)にもエントリーしているが、2戦の獲得ポイントで争うシリーズ上位6人によるGPファイナル(12月9~11日・大阪)進出は絶望的となった。

試練が訪れた羽生は日本スケート連盟を通じ「NHK杯にむけて全力で取り組んできましたが、たった一度の転倒で、怪我をしてしまい、とても悔しく思っています。今は少しでも早く、氷上に立つことを目指し、痛みをコントロールしながら氷上でのリハビリをし、競技レベルに戻るまでの期間をなるべく短くできるように、努力していきます」とコメントした。

それでも逆境での強さはこれまで何度となく証明してきた。2018年平昌冬季五輪シーズンにはNHK杯開幕前の公式練習中に4回転ルッツで転倒し、右足首を負傷。懸命のリハビリを経て約4カ月ぶりの実戦となるぶっつけ本番で挑んだ平昌大会で66年ぶりの五輪2連覇を達成している。今回も「皆さまの応援の力をいただきながら、さらに進化できるように、頑張ります」と早期復帰を目指す。

今季のテーマ「できること、一つずつ。」

今季の羽生は世界初の成功を夢見る前人未到のクワッドアクセル(4回転半ジャンプ)の挑戦を最大の目標として見据えていた。掲げたテーマは「できること、一つずつ。」。自分の中で大切にしている言葉だという。

五輪3カ月前の大事な時期に「たった一度の転倒」で負傷したことは本人が一番悔しいに違いない。それでも「ここまで、最善の方法を探し、考えながら練習してこられたと思っています。今回の怪我からも、また何かを得られるよう、考えて、できることに全力で取り組みます」とコメントを出した通り、前向きな姿勢を失っていない。

復帰戦は全日本選手権の可能性も

羽生は新型コロナウイルス感染拡大後、拠点のカナダではなく国内で調整してきた。まずはリンクに立つことが最優先となるが、ジャンプを着氷する右足首の負担は大きく、過去にも痛めている。回復の状況次第では、北京五輪代表選考会を兼ねる全日本選手権(12月22~26日・さいたまスーパーアリーナ)が復帰戦になる可能性もある。

北京五輪のシングル出場枠は男女とも最大3枠を確保。最終目標のクワッドアクセル成功と五輪3連覇へ。自分を信じ、まさに今季のテーマである「できること、一つずつ。」のスタイルで復帰のリンクを見据える。

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