日本ボクシング界の唯一無二の聖地「後楽園ホール」
日本のボクシング界にとって、唯一無二の聖地とも呼べる場所、それが「後楽園ホール」だ。東京都文京区にある多目的ホールで、東京ドーム横にある後楽園ホールビルの5Fに位置している。1962年に開業。ボクシングだけでなくプロレスなどの格闘技全般で利用されているため、格闘技のメッカとしても知られている。
ボクシングに関してはタイトルマッチだけでなく、4回戦から興行が開催されているというのだから驚きだ。都内近郊で名も知られぬまま戦う若手ボクサーも、この聖地のリングに立ち、一歩ずつそれぞれの目標を達成しようと拳を交えている。
アマチュア大会も含め、国内で1年間で行われるボクシングの試合の約半分が後楽園ホールでの開催。プロアマ問わず、世界ランカーも4回戦ボーイにとっても憧れの場所であることはこれから先も変わることはないはずだ。
後楽園ホールで生まれた数々の名勝負
漫画「あしたのジョー」や「はじめの一歩」でも聖地として扱われている後楽園ホールでは、ボクシング史に名を残す名勝負がいくつも繰り広げられてきた。
90年代というと、日本スーパーフライ級タイトルマッチで超満員となった松倉義明選手vs名護明彦選手の一戦。また最近であれば現WBC世界バンタム級王者の山中慎介選手が、日本バンタム級王者だった頃の岩佐亮佑選手と戦った防衛戦など。
全国ネットでテレビ中継もされ、日本中を感動の渦に巻き込んだ試合もある。2007年、内藤大助選手がWBC世界フライ級王座をかけて王者・ポンサクレック選手(タイ)を3度目の正直で破った一戦。ウィナーコールの瞬間、誰彼となく肩を抱き合い涙を流す人が後を絶たなかったとか。
1日いても飽きない複合施設でアクセス抜群
後楽園ホールの魅力の一つに、アクセス性の良さもある。JR「水道橋」駅から徒歩1分。また後楽園ホールを含む複合施設「東京ドームシティ」にはボクシング観戦前にも楽しむことができる施設がいっぱいだ。
アトラクションエリアには都心を一望できる観覧車や絶叫マシーンなどの遊園地もあり。ショッピング&レストランエリア「ラクーア」には、約50のショップとレストランが24店舗揃っている。
疲れた体を癒すための温浴施設「スパ・ラクーア」もあって、丸1日いてもまったく飽きない環境が揃っている。11:00オープン、翌朝9:00クローズということもあり、終電をなくしてしまったサラリーマンにも人気の施設だ。
アメリカ・ニューヨークのボクシングの聖地をチェック!
続いて、国外に目を向けてみよう。ボクシングの本場であるアメリカ、特にニューヨークではビッグマッチの開催が続いており、観客席には世界中のVIPたちが詰めかける。その舞台となるのが、マディソン・スクエア・ガーデンとバークレイズセンターだ。
マディソン・スクエア・ガーデンは、1960年代に最盛期を迎えたボクシングのメッカ。ジャック・デンプシー選手やベニー・レナード選手など伝説のボクサーを輩出してきた。現在も、バークレイズセンターと合わせてニューヨークの2大会場として使用されている。
2017年もキャリア無敗のWBC世界スーパーフライ級王者であるローマン・ゴンサレス選手の防衛戦などビックマッチが目白押しだ。
ニューヨークと並ぶボクシングの聖地はラスベガス
ラスベガスにあるMGMグランドガーデンアリーナは、ニューヨークに次ぐボクシングの聖地として知られている。伝説のプロモーターとして知られるドン・キング氏が、1980?90年代にかけて巨額のファイトマネーが動くビッグマッチをいくつも手掛けてきた。
90年代後半からはニューヨークを超える興行がラスベガスで組まれるようになった。マイク・タイソン選手がイベンダー・ホリフィールド選手の耳を噛みちぎって世間を騒がせた一戦や、2015年世界中で注目を集めたフロイド・メイウェザー選手vsマニー・パッキャオ選手の対決が行われたのもラスベガスだった。
なお、日本人でラスベガスでメインイベントを戦ったのは西岡利晃選手のみ。2011年、WBA世界スーパーバンタム級王者として挑戦者のラファエル・マルケス選手を破り防衛を果たしている。
まとめ
後楽園ホール、マディソン・スクエア・ガーデン、MGMグランドガーデンアリーナ。今もむかしも多くのボクサーが目指す憧れのリングがそこにはあった。日米が誇るボクシングの聖地には、時代を超えて脈々と受け継がれる戦いの系譜があるのだ。