バンタム級より25キロ以上重い階級でWBF王座奪取
プロボクシングのWBFライトヘビー級王座決定戦が10月6日、タイ・バンコクのルンピニースタジアムで行われ、シリモンコン・シンワンチャー(47=タイ)がマット・フロイド(35=オーストラリア)に2-1判定勝ちし、王座に就いた。
シリモンコンはWBCバンタム級王者として1997年に来日し、辰吉丈一郎に7回TKO負け(当時のリングネームはシリモンコン・ナコントンパークビュー)。世界戦3連敗を喫していた「浪速のジョー」が見事な復活劇で大阪城ホールのファンを総立ちにさせた伝説の試合の相手だった。
その後、減量苦から2階級飛び越えてスーパーフェザー級に転向し、2002年8月に東京・両国国技館で長嶋健吾に2回KO勝ちしてWBCスーパーフェザー級王座獲得。2003年に2度目の防衛戦で王座陥落後は、K-1に出場したり、覚せい剤所持で刑務所に収監されたり、リングから遠ざかった時期もあった。
しかし、出所後は2014年にWBOアジアパシフィックウェルター級王座を獲得するなど階級を上げながらボクシングを続け、このたびリミット79.38キロのライトヘビー級でベルト奪取。辰吉と戦ったバンタム級(53.52キロ)から数えて実に10階級、25キロ以上重いクラスでの戴冠となった。
WBF(世界ボクシング連盟)は、WBA、WBC、IBF、WBOの主要4団体とは違うマイナー団体のため、世界的に王座獲得と認められるわけではないものの、47歳で現役を続けていること自体が驚異的。99勝(62KO)5敗という戦績からも「歴戦の強者」という表現がピッタリだ。
リングサイドにはカオコー、カオサイのギャラクシー兄弟、ポンサクレック・ウォンジョンカムらタイのレジェンドが勢揃い。シリモンコンもその系譜に名を連ねるボクサーの一人であることは間違いない。これから防衛戦を行うのか、何歳まで戦うつもりなのか定かではないが、生ける伝説の今後に注目だ。
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