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ボクシング階級別世界王者一覧、日本選手未踏の階級は?

2020 4/18 11:00SPAIA編集部
井上尚弥Ⓒゲッティイメージズ
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Ⓒゲッティイメージズ

日本選手最多は19人のフライ級

日本ボクシング界では、1952年に白井義男が初めて世界フライ級王座を獲得して以来、これまで88人の世界チャンピオンが誕生した(暫定王者含む、外国出身ボクサーは除く)。階級別に見ると、白井も含めて19人が王座に就いたフライ級が最多となっている。軽量級から順に紹介していこう(複数階級制覇している選手は各階級ごとに1人としてカウント)。

ボクシング階級別世界王者


ミニマム級(47.62kg)は歴史が浅いものの、日本選手は層が厚いこともあって12人を数える。1987年に井岡弘樹がWBCの初代王座決定戦(当時はストロー級)に勝ってから、井岡と対戦が期待されながら実現しなかった大橋秀行や、7度防衛の新井田豊、WBA、WBC、IBF、WBOの4団体でベルトを巻いた高山勝成、井岡弘樹の甥でミニマム級を皮切りに4階級制覇した井岡一翔、初の日本人同士の王座統一戦で井岡一翔に敗れた八重樫東、無敗で3階級制覇の田中恒成ら歴史に名を残す名王者が生まれている。

ライトフライ級(48.97kg)はミニマム級より多い15人。代表的なボクサーは何と言っても具志堅用高だ。13度防衛の記録はいまだ日本歴代1位。今ではタレントとして人気だが、当時は軽量級らしからぬ力強いファイトでファンを魅了した。36戦全勝で17度防衛中だった柳明佑(韓国)を井岡弘樹が破って2階級制覇した一戦もボクシング史に燦然と輝いている。

19人が王座に就いたフライ級(50.8kg)は「日本のお家芸」とまで呼ばれただけあって名王者が多い。19歳でポーン・キングピッチ(タイ)をノックアウトしたファイティング原田、原田のライバルだった海老原博幸、5度目の防衛を達成した後に交通事故死した大場政夫ら、記録にも記憶にも残るチャンピオンがベルトを巻いている。

フライ級世界王者


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バンタム級は辰吉、長谷川、山中ら名王者12人

スーパーフライ級(52.16kg)も15人のチャンピオンが誕生している。1人目はWBA王者時代にWBC王者パヤオ・プーンタラット(タイ)を破って事実上の王座統一を果たした渡辺二郎、端正なルックスでアイドル的人気だった鬼塚勝也、巧みなディフェンスで「アンタッチャブル」の異名を取った川島郭志ら人気、実力を兼ね備えた王者が多い。

「あしたのジョー」が戦い、日本で最も人気のある階級のひとつであるバンタム級(53.52kg)は12人。「黄金のバンタム」と呼ばれたブラジルの英雄、エデル・ジョフレを破ったファイティング原田、ボクシング界のカリスマ・辰吉丈一郎、辰吉との死闘を制した薬師寺保栄、フェザー級まで3階級を制した長谷川穂積、具志堅に迫る12度防衛の山中慎介、現在もパウンドフォーパウンド3位にランキングされるほどの世界的ボクサー・井上尚弥ら、そうそうたる面々だ。

スーパーバンタム級(55.34kg)も11人と多い。35勝27KOの「KO仕掛人」ロイヤル小林、名古屋から初の世界王者となった畑中清詞、本場米国でも高い評価を受けた西岡利晃ら個性的な王者が多い。

バンタム級世界王者


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日本人には馴染み深いスーパーフェザー級

フェザー級(57.15kg)は5人。米国で王座奪取し「シンデレラボーイ」と呼ばれた西城正三、2階級制覇の柴田国明、35歳の当時史上最年長でベルトを巻いた越本隆志、高校6冠の鳴り物入りでプロ転向し、2階級制覇した粟生隆寛ら実力派が揃っている。

スーパーフェザー級(58.97kg)も9人と多くのチャンピオンが誕生した。「精密機械」と呼ばれた沼田義明、その沼田を破って王座に就いた小林弘、KOの山を築いて11度防衛した内山高志、破壊力満点の「ボンバーレフト」で強敵をなぎ倒した三浦隆司、米国で王座奪取した伊藤雅雪ら、中量級では日本人にとって最も馴染み深い階級だ。

ライト級(61.23kg)はわずか3人。ボクシング草創期はライト級(軽量級)とヘビー級(重量級)しかなく、後にミドル級(中量級)、さらにその他の階級が増設されていったため、ライト級は最も歴史のある階級なのだ。

その重みのあるベルトを日本で初めて巻いたのがガッツ石松。世界チャンピオンを夢見てボクサーになり、王座奪取までに実に11度も敗れた叩き上げのプロで、拳を突き上げるポーズが「ガッツポーズ」という言葉の始まりとされる。31勝(17KO)14敗6分という戦績が、敗れるたびに這い上がったボクサー人生を表している。

スーパーフェザー級に続いて2階級制覇した畑山隆則も記憶に残るボクサーだった。強打の坂本博之と真正面からどつき合い、10ラウンドで倒した初防衛戦は今でも語り草だ。

ライト級世界王者


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世界挑戦すら難しいウエルター級は0人

スーパーライト級(63.5kg)は3人の王者が生まれている。ハワイ出身の日系三世で、「ハンマー・パンチ」と呼ばれた強打で世界を制した藤猛、15連続KOの日本記録を樹立し、レネ・アルレドンド(メキシコ)を1ラウンドで倒して日本中を感動させた浜田剛史、沖縄のジムから初めて世界王者となった平仲明信。藤は34勝29KO、浜田は21勝19KO、平仲は20勝18KOと、いずれも重量級らしいハードパンチャーだった。

日本選手がいまだ王座に就いていないのがウエルター級(66.68kg)だ。スーパーミドル級以上の階級には選手がほとんどいないため、ミドル級までで唯一制していない階級ということになる。

これまで辻本章次、龍反町、尾崎富士雄、佐々木基樹らが世界ウエルター級王座に挑戦したが、いずれも敗戦。日本選手にとっては重量級だが世界的に見れば中量級のため、パワーとスピードを兼ね備える必要がありレベルが高い。レナードやハーンズ、トリニダード、メイウェザーらボクシングの本場ラスベガスでスーパーファイトを行うような、とてつもない強さのチャンピオンが多いのも特徴だ。

とはいえ、パッキャオ(フィリピン)もウエルター級のベルトを巻いており、アジア人にもチャンスはあるはず。いずれ日本初の世界ウエルター級王者が誕生する日を期待したい。

1階級上のスーパーウエルター級(69.85kg)では4人のチャンピオンが生まれている。「炎の男」と呼ばれた輪島功一は2度の王座返り咲きに成功。柳済斗を15回KOした試合は日本中の感動を呼んだ。

スーパーウエルター級世界王者

ミドル級は竹原慎二、村田諒太の2人

ミドル級(72.57kg)は2人。日本最重量級で初めてのチャンピオンとなったのは竹原慎二だ。無敗のまま日本王者、東洋太平洋王者、世界王者と登り詰めた。

もう一人は現WBA世界ミドル級チャンピオン・村田諒太。ロンドン五輪金メダリストからプロでも世界のベルトを巻き、日本で初めてアマとプロ両方で世界を制したボクサーとなった。

日本では重量級は層が薄く、スーパーミドル級(76.2kg)以上で世界王者は生まれていない。ただ、以前から世界を狙えるヘビー級(90.72kg以上)選手をつくっていこうという動きがあり、現在も日本チャンピオンや日本ランカーは存在する。日本選手の体格が大型化していけば、いずれは世界ヘビー級王者が誕生するかも知れない。

ミドル級世界王者


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